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横山side
僕は未成年の子どもだから
本来は十時までしか俳優として活動できないんだけど
今日は母さんがいるから、朝までコースかもしれない…
今ではちょっと慣れたけど
全く別のキャラを連続で演じるのって疲れるんだよねぇ
この感じだと明日も仕事かな
真宮寺くんに会いたかったのにな…
貞「A、休憩時間は終わりよ、早く準備なさい」
誰も来ない控え室…
短い休憩時間が終わって母さんがボクを呼びに来た
『はい、わかりました…』
ボクは用意された衣装に袖を通して
母さん達の所へ急いだ
ー「横山さんとても素敵です、似合っていますわ！」
〜「今日も素晴らしい演技を期待してるぞ」
貞「みんな貴方に期待してるからね、頑張りなさい」
ボク達はそれぞれ配置についてそれぞれが精神統一をした
部屋中に監督の声が響き渡った
そして画面内の空気がガラリと変わり
役者達の目付きが鋭くなった
心の無い酷い人間を演じる先輩
何か心にトラウマを抱えた人間を演じる先輩
ドス黒い復讐を考えた人間を演じる先輩
ボクはその中で
自分の心を満たす為だけに人を殺す
快楽殺人者を演じている
ボクは演技が人より出来るだけのただの高校生だから
もちろん人を殺した事がないわけで
最初から殺人者を演じれるわけが無い
だからボクは
ノンフィクションのサスペンスドラマとか
大先輩達の助言、事件の記事を沢山書いてきた記者の声
サスペンス系常連の映画監督の言葉にも耳を傾けた
デリカシーがない事を承知の上で
刑務所の中にいる人や、遺族の方の話も聞きに行った
それらの話を踏まえて
演じるキャラクターのイメージから遠ざかること無く
監督が求める最高の演技をしなければならない
今回の役柄は、今までよりちょっと難しいかもしれない…
次の撮影までに
あのキャラクターをもっともっと調べなきゃね
そして、キャラに近づく為にも
もっともっと人ってやつを知っていかなくちゃ
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月25日 2時
