八十本 ページ33
威榧side
倉庫の中を見て周ったけど
肝心の十神君はどこにもいなかった
だから俺達は大人しく大広間に戻ってきた
大広間には…十神君はいなくて
一緒に十神君を探しに行った日向君は
まだ戻ってきてなかった
さっきまでの楽しい雰囲気が…
この場をまとめる筈の十神君がいないだけでこんな…
暗い雰囲気でしばらくすると
入口付近を調べていた日向君が戻ってきた
俺達の帰り際の事を思い出すと
日向君は外にいる七海さんに話を聞いていたはずだ…
狛「あ、日向クン！どうだった？」
日「いや、七海に話を聞いたら、外には出て来てないってさ…」
狛「お、おかしいな…倉庫には誰もいなかったよ」
花「もちろん、厨房にもね」
左「事務室にも…誰もいなかったぞ…」
ソ「…誰もいなかったのですか？事務室に？」
西「あれー、辺古山おねぇは？事務室はおねぇが見張ってたはずじゃーん？」
左「それがよォ…辺古山のヤツもいねーんだよ」
小「…えっ？ペコちゃんも？」
花「もしや、暗闇に乗じて、トイレでイチャイチャしてるのでは…？むっはー！けしからーん！」
筒「ちょっとやめなよ、花村君じゃないんだから…」
終「…ん？んんん？」
ソ「終里さん…どうかなさったのですか？」
終「いや…なんか匂わねーか？」
罪「えっと、小腸上部で消化吸収されなかった食物の残りは…え、えっと…」
『腸内細菌の作用で分解される際に腸内ガスを発して…』
罪「あっ！そ、それです…！そのガスのほとんどは腸管から吸収されるんですけど、吸収しきれないものが肛門から排出されるんですぅ、そ、それがおならのメカニズムで…だから…おならは恥ずかしい事じゃないんですぅ！」
終「いや、そーじゃなくって…これ、血の匂いだぞ」
日「…血の匂いッ！？」
終「うー、うー、うー…」
終里さんは警察犬のように真剣に匂いを探しながら
ある場所を指差した
終「きっと、あそこからだ…！」
それは…大広間の一番奥にあるテーブルだった
日「血の匂いって…あのテーブルに…何があるんだよ…」
終「あの…下だ…！」
日「テーブルの…下？」
日向君はテーブルまで一気に駆け寄ると
テーブルクロスに手を伸ばした
でも、そこで止まった
「そんな事ある訳ないだろッ！」
日向君は叫び声を上げながらテーブルクロスを掴むと
そのまま一気にめくり上げた
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月18日 11時
