六十七本 ページ20
威榧side
［キーン、コーン… カーン、コーン］
モ｢［えーと、希望ヶ峰学園修学旅行実行委員会がお知らせします…ただいま午後10時になりました、波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね、ではでは、いい夢をグッナイ…］｣
…もうそんな時間か
モノクマの言う通り…このままおやすみしたい
まぁそんな事出来ないのはわかってるけど…
狛「Aパーティーの時間だよ、遅れると十神クンに怒られちゃうよー？」
『……わかってる…』
はぁ…憂鬱…
俺はいつも通り腕と顔に包帯を巻いた
これは朝に使ってたヤツだ
でも汚れてないからまだ使える…
って俺は思ってる
包帯をゆっくり巻いて時間を稼ぐ事も考えたけど…
凪斗が手伝っちゃったから
パーティーをサボる理由がなくなってしまった
うだうだと悩んでいると
俺の手に凪斗の…細くて長い指が絡まった
そして腕に鋭い痛みが走った
驚いて腕を引くと、手首に歯型が付いていた
血は出ていないが噛み跡と周辺が赤くなっていた
『…っ！…何すんだよ…』
狛「ご、ごめんA…その…つい」
幸い包帯で隠せるところだったからよかったけど…
…でも、変に頭のいい凪斗の事だし…
無意識にでもそういう事考えてそうだな…
凪斗は申し訳なさそうに傷の上に包帯を巻き直した
狛「…よしできた、もう大丈夫だね、じゃあ行こっか」
凪斗の感情が…分からない…
本当に…前も泣いてたと思ったら急に笑いだしたり…
笑ってたと思ったら急に怒りだしたり…
…凪斗と一緒に外に出ると冷たい風が通り抜けた
砂漠が夜になると寒くなるように
この島も夜になると寒くなるみたいだ
まぁ普通に半袖でも生活できるくらいだけど…
朝、昼と比べると寒くなるって意味だ…
俺は寒いのにはなれてるから
今の時間帯の方が何となく生きやすいっていうか
暑いのよりはマシって言うか…
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月18日 11時
