【狛枝凪斗】この花を君に【男主】 (ページ32)

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三十一本ページ32

日向side

左「それに...この修学旅行の注意事項にもちゃんと書いてあったろ？ほら、例の“電子生徒手帳”の中にあった“修学旅行のしおり”ってヤツだよ、安全は守られてるみてーだし...だったら、ただの修学旅行と同じじゃね？」

狛「この島には危険なんてない...ひたすら平和でほのぼのとした日々...最初にウサミが言った通りだね、ここに書いてあるルールもそれを守る為のルールみたいだし...」

「だから、あいつの言う事は信じられるって？俺達は無理矢理連れてこられたんだぞ！」

狛「そう悲観的にならずに...もっと希望を持って物事を見た方がいいと思うよ？希望的観測っていうのは、人間が生きる上で必要不可欠な知恵なんだし」

左「ま、とりあえず様子見って事でいいんじゃね？様子見しながらバカンスを楽しむって流れでさ！へへっ！あの妙なウサギだって、よく見りゃカワイイかもしんねーしな！」

威『そうだよ日向君...こんな綺麗な島に来れる機会なかなかないんだし、少しは楽しんでもいいんじゃないかな...その時間の中でこの島から出る方法を一緒に探そうよ...ね？』

その能天気さが...逆に羨ましいな

なんか...気分悪くなってきた

威『日向君...？...大丈夫だよ...何も起こらないから...』

威『ほら...これ飲んで...』

「これは...？」

威『精神安定剤みたいなもの...少しは楽になると思う...』

他人を見ると即座に狛枝の後ろに隠れる威榧が
今は真剣な顔をして
俺の背中を擦り薬を飲ませてくれている
こういう優しいところを見て
世間は威榧を“超高校級の医者”と呼ぶのだろうか

「ありがとう、落ち着いた...」

威『顔色もだいぶ良くなってきたね...』

威『じゃあ...今からどうする？自己紹介を続けてもいいし、まだしんどいようなら一旦帰ってもいいと思うよ...』

「いや、俺最後まで頑張るよ」

威『そっか、じゃあ一緒に頑張ろう...』