十九本 ページ20
狛枝side
十神クンに色々と言われたAは
とても落ち込んでいて、ボクの肩は少し温かく濡れた
昔から強く言われるのが苦手なAは
いつもボクに縋り付いていた
「…A、大丈夫？」
威『あの人怖い…嫌だ…』
「…すぐ静かな場所に連れて行ってあげるからね」
それにしても、本当に他に誰もいないんだね…
こんなに歩いてるのにまだ誰にも会わない
もうしばらく歩くと“USAMICORRAL”
と書かれた大きな看板が見えた
「ここは牧場みたいだね」
日「…の割には、あんまり動物がいないな」
ウ「あーあ…バレちった！」
日「またお前かっ！どこから出て来るんだよっ！」
またもどうやったのか分からないウサミが
しょんぼりとしながら現れた
ウ「あちしは神出鬼没なんでちゅ！この島のどこからでも出てくるシステムなんでちゅ！全て、このマジカルステッキのご利益ですけどね！」
マジカルステッキ…？
あのオモチャみたいなモノの事かな？
ウ「うーん…それにしても弱りまちたね…牛さんのいない牧場なんて日本人のいない日本代表でちゅよ、もはや、意味合いが変わっちゃうね…よーし！ここは、あちしとこのマジカルステッキに任ちてくだちゃーい！ちんぷい、ちんぷい！ちちんぷいぷい、ちちんぷいぷーい！えいやー！牛さんになーれ！！」
そう言ってウサミがマジカルステッキを振ると
眩い光が辺りを包み
そこら辺にいた鶏が立派な牛に変わった
日「…はぁああああああああっ！？」
ウ「えっへん、大成功でちゅー！！」
日「な、なんだよ…今の…！と、鶏が…牛に…ッ！？」
「いや、手品とかイリュージョンの類だと思うよ
おそらく最初から仕込んであったんだね、ボクらを喜ばせようとしたんだろうけど…日向クンには逆効果だったかもね」
マジカルステッキって言ってたし
ウサミも動いてるし、本当に魔法かとも思ったけどね…
まぁ、冷静に考えれば違うよね
威『見た目は…ごく普通の牛だね…鶏を牛に変えるって、一体どんなギミックが…』
「ボクはとても高度な技術が加わってると思うよ」
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月11日 3時
