十二本 ページ13
威榧side
？「だったら…お前の言う“修学旅行”とはなんだ？この島で何をさせようとしている？」
ウ「はーい！では発表したいと思いまーちゅ！ミナサンは、この島でほのぼの〜と暮らしながら仲良く絆を深めていってくだちゃい！」
仲良く、そんな甘いもので深められるとは思えないけど
できる限り楽しもうかな…
ウ「それが『どっきどき修学旅行』のルールなのでちゅ！」
？「どっきどき修学旅行…だと…？」
ウ「何も起きず、誰も傷付かず、誰も苦しまずひたすら平和でほのぼのと希望を育て合う日々…そんな…らーぶ、らーぶな『どっきどき修学旅行』こそが…この島でミナサンに与えられる課題なのでちゅー！」
…ふーん、ほのぼのと平和を育て合えか
…なにそれ…
ウ「えーっと、という訳で…『どっきどき修学旅行』が始まりまーちゅ！！」
当たり前だけど、全てを理解するには頭が足りないな…
まぁ当然か、こんなゴミクズみたいなボクなんかに
こんな盛大な話についていけるわけない…よね
あ、そうだ…Aのところに行かなきゃ…
顔色悪かったし、何より人の多いところにいたら
また体調を崩しちゃう…
ボクは砂浜から反射する光に目を痛めながら
辺りを見渡してAの姿を探した
元は教室だった場所のすぐ側
机で影になっているところにAは蹲っていた
「A！…大丈夫？」
？「酷い熱中症ですぅ！早く日陰に行ってくださいぃ！」
「ありがとう…A立てる？」
威『……う、ん…』
ボクに支えられてA立って歩いてるけど
さっきからフラフラしてて、心配…
Aのペースに合わせて
ようやく広い日陰の元に辿り着いた
日陰に連れてきたら
顔色が良くなったけど息はまだ荒い
「…A……ボクは今からこの辺りを探索してくるよ
上着を置いておくから、何かあったら影にしてね」
威『……あり…がとう…』
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月11日 3時
