一本 ページ2
威榧side
カーテンの隙間から朝の光が差す
目に光が当たって、目が覚めてしまった
そんな静かな部屋に突然ノックが鳴り響いた
ｺﾝｺﾝ
ーA君、今日は入学式でしょう？ー
ー今日だけでも学校に行きなさいー
扉の向こうにいる人は俺の叔母さん、俺の母親のお姉さん
親のいない俺と凪斗を引き取ってくれた人
その事に関して叔母さん達には本当に感謝してる
『叔母様、おはようございます、ちゃんと行きますから心配しないでください』
ー起きてたのね、良かったわー
ーじゃあ朝ごはん作ってるからねー
叔母さんは…
いつも、行事に関しては行って欲しいと言う
学校には行かなくていいからって
…このまま横になってたら絶対二度寝するな
『はぁ…』
重い体を何とか起こして
カーテンを開いた、凄い眩しい
あんまり待たせるのも悪いし…早く着替えよう
…やっぱりサボろうかな…
制服には着替えたけど段々と面倒くさくなってきたし
家を出てどこかで時間潰してたらバレないでしょ
狛「A〜！！」
『っ…！？うわっ！』
突然部屋の扉が開いたと思ったら
制服姿の凪斗が飛び付いてきた
『…凪斗……重い…』
凪斗は楽しそうだけど…下敷きになって苦しい…
狛「あぁ、ごめんごめん、ついね、それより、叔母さんが朝ご飯ができたからおいでだって」
『わかった…』
凪斗がいるとサボれないな…
狛「今日は入学式だからって叔母さん張り切っててさ、凄い美味しそうなんだよね」
人前に出るの嫌だな…名前呼ばれて返事するのも嫌だな…
…外に出るのも嫌…なんか…何もかもが憂鬱…
もういっそ眠りについたまま死にたい…
狛「A」
凪斗に名前を呼ばれ、顔だけを声の方に向けると
突然壁に押し付けられ、俺の唇に温かいものが当たった
何か…言いたいのに…
…凪斗に抑えられた体は全く動かせない…
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月11日 3時
