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ページ43

裕翔side





ちゃんと普通に出来たかな、、





薮くんの顔を見ると

昨日のことを思い出して

心の中はバクバクで忙しかった。






〜昨夜〜





個人仕事が早く終わり、真っ直ぐ家に帰った。





ずっとやりたかった新しいゲームをして

夕飯をネットで頼む。




届くまでにお風呂を済ませて、髪を乾かし終わっておく。





届いた品物と缶ビールをテーブルに並べて手を合わせる。






中「いただきます!」





缶ビールの蓋を開けようとした時

テーブルに置いてあるスマホが鳴った。





中「んーもぅ、、誰だよぉ」





画面には "伊野尾 慧" の文字。





中「いのちゃん?」






いのちゃんからの連絡なんて珍しいなと思いながら

電話に出る。





中「もしもし」




"あ、ゆうとぉ? ちょっと助けてよー"





いつもの可愛らしいトーンに滑らかな口調。




周りから聞こえる賑やかな声。





居酒屋にでもいるのか?





中「どうかしたの? いのちゃんから連絡って珍しいよね」




"ちょっとお荷物が重すぎてさー"




中「お荷物?」




"そうそう。運ぶの手伝ってくれない?"




中「えー笑 俺今からご飯なんだけど」




"タクシー代とか払うからさ!頼むよ"




中「えー やだよー笑」





いのちゃんからのお願いでも今から外に出るなんて嫌だ。





"、、薮、でも?"




中「、、え?」





薮くん、、?





"薮が酔い潰れて、起こしても起きないの。だから、"




中「場所どこ?」





いのちゃんの言葉なんて待ってられずに

場所を聞き出し、家を出た。












中「いのちゃん!」





2人がいる居酒屋に着いて、個室の扉を一気に開ける。





伊「うわっ!、、びっくりしたぁ、ノックぐらいしろよ」





薮くんの寝顔をスマホで撮りながら

顔だけ振り返るいのちゃん。





中「あ、、ごめん、笑」





薮くんに目線を向けると

気持ちよさそうにテーブルに伏せて眠っている。





伊「俺が会計中に寝ちゃってさ、起こしても起きないんだよね」




中「そーなんだ、、これからどうするの?」




伊「薮は裕翔にあげる!」




中「、、は!?」




伊「だって、俺なんかより裕翔に託された方が薮も嬉しいだろうし」




中「いや、光くんは?俺じゃなくても、」




伊「光とはすれ違い中らしいからさ」





その言葉にドキリと心臓が跳ねた。





俺のせいだ、、





伊「薮からは色々聞いたから、、裕翔も本気で好きなら、曖昧な態度とってないで、本気でぶつかりに行きなよ」





俺の肩をポンと叩いて

あくびをしながら部屋を出たいのちゃんは

とてつもなくかっこよかった。

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作者名:M. | 作成日時:2021年7月14日 3時

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