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光side





大ちゃんの顔は

いつものニコニコとした可愛い顔じゃなくて

眉を下げて申し訳なさそうな顔なのに

どこかしら伝わる男らしさ。





『じょ、冗談やめてよー笑』





からかわれた振りをして大ちゃんの胸を押す。





『たく、俺のことからかいすぎ』





笑いながら一度も口つけていない

コーヒーが入った紙コップに口付ける。




飲もうと紙コップを傾けようとした瞬間





有「好き」





大ちゃんの言葉がまた俺を止めた。





『っ、、だ、だから』





からかうなよって返そうと

大ちゃんの方を向いた瞬間

大ちゃんの匂いに全身が包まれた。





『ちょっ、大ちゃん!?』





有「好き、ひか、本気で好きなの、、」





耳元から聞こえる声から必死さが伝わる。





『わ、分かったから、、あの、コーヒー危ないから離れて、ね?』





そう言うと、大ちゃんは素直に体を離す。




とりあえず紙コップをテーブルに置いて

大ちゃんの方を向き直す。





『えっと、、好きってさ、、どういう意味の、?』





有「恋愛として」





真っ直ぐに俺を見つめるつぶらな瞳。





真っ直ぐに伝わる言葉に

俺はどう反応したら良いのか分からない。





『で、でも、、俺は薮と、、』




有「分かってるよ。だから、、薮ちゃんと万が一離れた場合、ひかは俺が貰いたいと思ってる」





遂に俺は返す言葉がなくなってしまった。





有「ひか」





大ちゃんが続ける。





有「困らせてごめんね、、。でも俺、ひかの悲しい顔見たくない。薮ちゃんといて辛い思いするんだったら、俺が幸せにしたい」





『う、うん、、ありがとう。で、でも、俺は、、』





薮が好きなの





そう言おうとした時

絶対に現れてはいけない人物が現れた。









「何してんの」





冷たいトーンの声に振り返ると




そこにはズボンの両ポケットに手を入れながら

冷たい目をした薮の姿。





『や、やぶ』





薮は俺を見た後、大ちゃんに視線を送る。





「大ちゃん、さっきの質問覚えてる?」





質問、、?





薮は俺達の方にゆっくりと近づくと

俺を後ろから抱きしめた。





『!?』





有「覚えてるよ。、、、俺は、ひかの事が、、好き」





真っ直ぐ俺を見つめる大ちゃん。





『っ、、』





「そっか、、、で、光は?誰が好きなの?」





ん?

え?

おれ?





突然の言葉に薮の方を向くと

真っ直ぐに俺を見つめて離さない。





『お、おれ、?』




「うん、光」





薮はやっぱりいじわるだ。

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作者名:M. | 作成日時:2021年7月14日 3時

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