俺だけ。 (ページ15)

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伊野尾side

有「それでさぁ、そこのサウナがぁ、」

楽屋の隣の椅子に腰掛けながら

俺におすすめのサウナ情報を提供してくれている

可愛い小動物の大ちゃん。

今日は冠番組の収録。

俺と大ちゃんは専属雑誌の撮影終わりにそのまま来たから

楽屋には一番乗りだった。

伊「え、いいじゃん！今度行こうよ」

最近はサウナの話ばかりしてる気がする。

今日も大ちゃんは安定のサウナTシャツ。

"はよーっ"

サウナの話で盛り上がっていると楽屋のドアが開き

ドアの向こうから声がした。

伊「はよぉ」

有「おはよー」

声の主は薮。

後ろには光がいた。

なんだ、こいつらどっちかの家にでも泊まったのか

２人が一緒に来る時は

前日に必ずどっちかの家に泊まっている。

薮は大ちゃんを見るとふにゃっと笑って

大ちゃんの頭に手を置いた。

「大ちゃん今日は早いじゃん」

有「"今日は"じゃなくて"今日も"ね？」

大ちゃんは上目遣いで薮を見て笑う。

『サウナのTシャツ似合ってるねぇ！』

光がいじる口調で大ちゃんにグッドサインを出す。

有「っ、うるさいなぁ！笑」

大ちゃんはいつもみたいに返事をするけど

耳は段々と赤くなっている。

薮と光は大ちゃんの反応を見て笑った後

荷物を置いて飲み物を買いに楽屋を出た。

横目で大ちゃんを見るとスマホをいじっている。

伊「、、わかりやすっ笑」

有「、、え？笑」

伊「光のこと好きなんでしょ、大ちゃん」

画面をスクロールしていた指がピタリと止まった。

有「、、え、俺が？笑ないない笑」

大ちゃんは画面から目を逸らさずまたスクロールし始める。

耳はまた真っ赤になっていた。

伊「ふーん、そっかぁ」

テーブルに腕をついて、体制を崩す。

顔を腕に乗せて大ちゃんの顔を下から覗く。

有「な、なに」

俺の視線に気づいた大ちゃんが

チラッと俺を見てまた逸らす。

伊「いつから？」

有「なにが？」

伊「いつから光のこと好きなの？」

有「っ、だ、だからっ！」

大ちゃんは少し声を上げると

大きな溜め息をして肩を落とした。

有「、、、誰にも言わない？」

顔を赤くしながら俺を見る可愛いつぶらな瞳。

伊「うんっ、俺を誰だと思ってるの？伊野尾さんだぞ！？」

有「信じらんねぇ笑」

２人が来たらまずいからと場所を変えて

大ちゃんの話を聞くことにした。