第七話 彼からのお話 ページ8
「あっ……A。ごめんね…大丈夫？」
彼は私の手を掬うように握った。
「はぁ……うん…大丈夫。
フェリシアーノ…話って、何？」
私は息切れして言葉がとぎれとぎれになっていた。
「あっ……わがままだけど、聞いてくれる？」
彼は顔を傾けて言った。ずるいなぁ…。
「うん。いいよ」
「明日から会えなくなるのが嫌だから……手紙でやり取りしよう？」
手紙……か……。
私は無意識に二つ返事で答えていた。
「ヴェ〜よかった…。Grazie！」
私は彼と住所を教えあい、その後は引き留める事もできず彼のお父様と国へ帰っていった。
その夜、私はすぐさま手紙を書いた。
『フェリシアーノへ。
昨日はありがとう。明日から会えなくなるって…なんだか昨日の私は実感できません。きっと、明日から私の街が暗くなってしまうかもしれません。一生月の光に照らされて太陽とは出会えない様です。
またいつか会えたら…。』
私は父に見つからないように手紙を送った。
その夜は月が雲に隠れて街に光が差し込まれていなかった。
朝、メイドさんから封筒を貰った。もしかして……
胸が高鳴るとともに期待を抱きながら早速開けてみた。
やはり彼からの手紙だった。
『Ciao,tesoro.
急に手紙でやり取りしたいって言ってごめんね？
明日からAと会えないなんて寂しいから、お願いしたんだ〜
俺も実は驚いたんだ。俺自身が無意識なのか、反射的な行動していたのに……。
でもね？嬉しかった。Aが了承してくれて。
Grazie.A。Anche un giorno.』
彼も昨日書いてくれたんだ…。
そう思うとふと笑みが溢れた。
「嬉しい……。」
私はそうつぶやきながら、今日も新たな一日が始まった。
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ささみのｸｼｬﾐ(プロフ) - ありがとうございます！応援、とても嬉しいです…。 (9月21日 22時) (
レス) id: ebbfe69b10 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - うわああ！とてもドキドキキュンキュンしました...！お話が面白いうえに読みやすくて大好きです！北伊の小説ありがとうございます😭これからも応援してます！ (9月16日 21時) (レス) @page5 id: b72c422986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささみのｸｼｬﾐ | 作者ホームページ：http://sasaminokusyami
作成日時：2023年9月14日 22時
