第四話 親への反抗 ページ5
彼は手を前に出して私と繋ぐのを待っていた。
「もうそろそろ戻る時間だね。じゃあA。また、連れてって？」
「うん、分かった。」
私はその手を取って歩きだした。
鼻歌を歌う彼がとても上機嫌なのが伝わってきた。
暫く手を繫ぎながら歩いているが、別に好きなわけじゃない。
単なる両親間の愛に少し対抗しているにすぎない。
部屋の前に着くと私はドアをノックした。
「お父さま、只今戻ってまいりました。」
お父さまがドアを開け、
「おかえり。楽しかっ……え、もうそんなに仲良くなったの？」
父親の目線の先は…もちろん繋がれた手だった。
「ヴェー…Aちゃんのお父様。とても楽しかったです！あ、あと…
娘さん…すっごく可愛かったであります！」
お父さまは目を丸くしながらも
「おや、まだうちのAは俺たちのだからね。いくらなんでも、早すぎかな。」
と言葉を発した。
フェリシアーノのお父様はにこにことこちらを見ていた。
「もうお昼だし、ここらで4人で晩餐にしようか。」
空気を読んだ父は話題を変えることにした。
私達はそれに乗っかり昼ご飯を食べることになった。
食堂に着くと、いつもより豪華なテーブルや椅子になっていた。
いつもテーブルに置かれていたサボテンが、赤いポピーになっている。
私の家族って、お花に詳しかったりするのかな？
「うわぁ〜！！今日もだ〜！！」
「そうだよ。Aが好きな食べ物はね、彼らの国の食べ物なんだよ。」
「お嬢さん、君はこの中で何が好きなのかな？」
「私はこのペペロンチーノが一番好きです。」
「ヴェっ、俺と一緒だ〜！
あっ、そうだ！今度、作ってあげるね！」
「え、いいの？嬉しい。」
晩餐は、いつもよりも美味しく感じた。
それから、まもなくお別れの時間がやってきた。
凄く楽しかったなぁ…なんて。
「本日は来てくださり、ありがとうございました。Aもほら、挨拶して。」
「ありがとうございました。
フェリシアーノも、ありがとう。」
「A。今日は楽しかったよ、ありがとう。また会おうね。」
「また、家の息子をよろしくね。」
「はい、こちらこそ。」
フェリシアーノが振り返った。何だろうと思ったら、
彼は私に向かって
手を振りながらウインクをし、彼らは帰国した。
「あの子は中々Aに積極的だなぁ…。
A。新しい友達はどうかな？」
「優しい子だったよ。また会いたいな…。」
父は頭をかいていた。
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ささみのｸｼｬﾐ(プロフ) - ありがとうございます！応援、とても嬉しいです…。 (9月21日 22時) (
レス) id: ebbfe69b10 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - うわああ！とてもドキドキキュンキュンしました...！お話が面白いうえに読みやすくて大好きです！北伊の小説ありがとうございます😭これからも応援してます！ (9月16日 21時) (レス) @page5 id: b72c422986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささみのｸｼｬﾐ | 作者ホームページ：http://sasaminokusyami
作成日時：2023年9月14日 22時
