第十一話 貴方の声 ページ12
夕方。私の部屋に1つ、華やかな音が鳴った。
知らない電話番号。だが明らかに私の街の電話番号ではなかったので、出ることにした。
「はい…もしもし…」
「やっほ〜A〜」
電話越しから彼の口癖が聞こえた。
やっぱり……。
「フェリシアーノ！！」
「ヴェ…びっくりした〜
ふふ、お手紙ありがとう。まさか昼に届くなんて思わなかったよ。」
「それはごめんね…。」
「ううん、Aからの手紙すっごく幸せだったんだ。
でもね？
ずっと、淋しかったんだ。君がいないと、世界は一層暗く見えるんだ。君がそばにいれば、光が差し込むような幸せを感じるのになぁ。」
私は彼の言葉に心躍り、むず痒さが込み上げ、頬が赤く染まる感覚を抱いた。
もし電話越しじゃなくて直接だったら彼は何と言ってくれるのだろうか。
「私も…手紙だけじゃ…足りなくて。」
「ヴェっ……そっかぁ……。
いつか電話越しじゃなくて直接話せたらいいなあ〜」
そういえば彼は緊急事態で帰ることになったんだよな…。何だったんだろ…。
「ねぇ、フェリシアーノの国は大丈夫なの？」
「大丈夫だよ。落ち着いてきてるみたいだから。でもまだ復帰には時間かかりそうだから…」
私はあまり深堀りしないようにした。
聞いたことによって気まずくなるのはごめんだった。
彼とはずっと話していた。彼は兄のことや友人のことばっかりだったけど…。兄弟がいるっていいなと思った。
話が弾み過ぎていつの間にか部屋の窓から月光で照らされていた。
「フェリシアーノ。ごめん…もうすぐ夜ご飯なの…。」
「あっ、ごめんね。じゃあ…明日も………」
「うん。いいよ。」
「えへへ、grazie！A！」
「じゃあね。」そう言って電話を切った。電話越しなのに手を振ってしまったのは、私の癖なのだろうか…。
夜ご飯を食べ終わってから、お風呂に入り終わって就寝時間になった。
しかし、さっきの電話のときに
彼が言ったとある一言が気になり、夜ご飯もあまり喉を通らず、お風呂ものぼせて散々だった。
その言葉は…。
「俺はね、気になる人がいるんだ。その人にはね、無意識に気になっちゃうんだ…。」
第十二話 隠された想い→←第十話 距離を感じさせない貴方の声
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ささみのｸｼｬﾐ(プロフ) - ありがとうございます！応援、とても嬉しいです…。 (9月21日 22時) (
レス) id: ebbfe69b10 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - うわああ！とてもドキドキキュンキュンしました...！お話が面白いうえに読みやすくて大好きです！北伊の小説ありがとうございます😭これからも応援してます！ (9月16日 21時) (レス) @page5 id: b72c422986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささみのｸｼｬﾐ | 作者ホームページ：http://sasaminokusyami
作成日時：2023年9月14日 22時
