第十話 距離を感じさせない貴方の声 ページ11
『Ciao,bella.
俺のお父さまに手紙を交換してることがバレたんだ。
それで、手紙じゃなくて電話はどう？って言ってくれたから、よかったらどうかな？
Aの声、聴きたいな〜♪
そしたら、少しは淋しさを忘れられるかな？
今夜来る手紙が待ち遠しいよ。
もし良いなら、良いって書いてね。
よろしくね！』
「声……聴きたいな…」
私は即座に手紙を書いた。
まだ送りはしないけど。昼に送ろっかな…。
朝帰りした両親と朝ごはんを食べた。
今日置かれているのはやはりサボテンではなく青い花。
「ねぇ。今日のお花、なんて名前なの？」
「あぁ。これはね、ブルースターっていうんだよ。」
ブルースター……小さいお花だな…。
それ以外に会話はなく、食べ終わってから部屋にすぐさま戻った。
「手紙…特に話題ないなぁ…」
まだ送るまでの時間は余分にある。それまでになんとか文字数を稼ごう。
昨日、執事が言ってたことが気になったので街に出た。
もちろん外出の許可を得て。
「今日は天気がいいなぁ…。」
なんだか少し心が明るくなる。
城下街を歩いていると、どこからか街人の声が聞こえてきた。
草むらから少し眺めてみると、奥で男女二人が話していた。
「〇〇さん！僕と……結婚してください！」
男性の手先を見ると、花束が。
執事の言ってること、本当だ……。
「はい、よろこんで…！！」
私は気づかれる前にその場を離れることにした。
またしばらく歩いていると、
やけにお花屋さんが多いことがわかった。
これも手紙のネタになるだろうかと思い、訪ねてみた。
「あの、すみません。」
「はい……なんでしょ……って
Aお嬢様ではないですか。」
「そうです…。1つお尋ねしたいことがあるのですが…。」
「？なんでしょうか。」
「何故この周りはお花屋さんが多いのですか？」
「ここの近くにある、岬があるのはご存知だと思うのですが、
実は、そこがプロポーズの名所となっているんですよ。」
「ありがとうございます。」
我儘なのかは分からないが、名所とかではプロポーズされるの嫌だなぁ…。
私はそそくさと帰宅した。
『フェリシアーノへ。
私も声がききたい。だから、電話番号を記します。
000−○#＜×＜→
今日は街に降りてみたら、花束を渡してプロポーズをしていた人がいたの。
花束を渡してプロポーズするのが、私の国のルールなんだって。
貴方の国にはそういうルールってある？』
私はまた直ぐに送りに行った。
夕方に届いたらいいな…。
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ささみのｸｼｬﾐ(プロフ) - ありがとうございます！応援、とても嬉しいです…。 (9月21日 22時) (
レス) id: ebbfe69b10 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - うわああ！とてもドキドキキュンキュンしました...！お話が面白いうえに読みやすくて大好きです！北伊の小説ありがとうございます😭これからも応援してます！ (9月16日 21時) (レス) @page5 id: b72c422986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささみのｸｼｬﾐ | 作者ホームページ：http://sasaminokusyami
作成日時：2023年9月14日 22時
