３ ページ18
『お兄ちゃん見て見て〜！』
『一織はすごいなぁ！負けてらんないな！』
『えへへっ、いおりだって負けないよ！』
『兄さん』
『………情けをかけにきたのか？だったら帰れ』
『…違います。私は兄さんと離れたくありません。どこに行っても一緒にいます…だから、行かないで』
『ははっ、悪いな。お前のワガママに付き合うのはもう懲り懲りだ。
俺は、お前の兄でいることも、もう疲れた』
お前には居場所がある。
だから、泣かないでくれ。誇りに思え。
そんな顔みたら、『兄』として戻っちまうから
『＿＿兄さん！！』
俺を、その名で、呼ばないでくれ。
お前を見捨てた俺をどうか、どうか
＿＿＿憎んでくれよ
闇から光へ浮き上がった身体は次第にそれに呑まれる
俺はゆっくりと瞼を開けた
頬に違和感を感じ、軽く撫でると指に雫が乗せられる。俺は泣いていたと気づくと、はっとしたように上半身を起こし、辺りを見渡した。見慣れない天井に見慣れない家具達。なにやら猫や兎の可愛らしい置物が多い。だが一見として女の部屋にしては素っ気ない感じがあった。何かやらかしてしまったのだろうか、と記憶を巡らせる
覚えているのはマーリンと言った白い男、地平線を覆い尽くすほどの桃色の花、そしてその男が言った
｢困った時は、私を呼ぶといい＿＿＿｣
という台詞。その後の記憶が無い
ふと、涙を拭った手の甲を見た
｢……は？｣
俺はあまりの事に自分の目を疑う。初めて見るそれに、恐怖を感じた
右手甲に赤い痣＿＿令呪が宿っていたのだ
だが、噂に聞いていたものと違っている。令呪には自らの英霊への絶対命令権が三画宿ると聞いていたが、どう見ても二画しかないそれに首を傾げた
いや、それよりもだ
この部屋の持ち主は一体誰なんだ。拾われたという事はこの令呪も見られたに違いない
魔術師殺しや他の候補者が俺を生かすとは考えづらい。それなら一般人が…いやだったら今俺は病室かこういう自室のようなところにはいないはずだ
その時だった。部屋のドアが二度軽くノックされた
思わず、はいっと答えてしまいすぐに後悔した
何をされるかわからないから、寝たフリの方が良かったかもしれないと
するとドアは俺の戸惑いを無視して、ゆっくりと開けられた
そして、本日二度目の人生最大の驚きが起きたのだ
｢＿＿お久しぶりです。兄さん｣
俺の実の弟、『和泉一織』がそこに立っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桓騎軍モブＡ(プロフ) - ふぇいにゃさん» ありがとうございます！亀ではありますが、頑張らせていただきます！、そうですね！聖杯戦争という形ではstay nightやZeroを参考にさせて頂いております！キャラクターはFGOを参考に！ (2018年3月1日 19時) (
レス) id: e343ab819a (このIDを非表示/違反報告)
ふぇいにゃ - stay nightですかね？Fateの方は。良いですよね〜全体的に！！ (2018年3月1日 0時) (レス) id: d1b94353af (このIDを非表示/違反報告)
ふぇいにゃ - にゃんと！！アイナナとFateの掛け合わせ作品とは！！私の超好みではないか((面白かったです！更新頑張ってくださいね♪ (2018年3月1日 0時) (レス) id: d1b94353af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桓騎軍モブＡ | 作成日時：2018年2月22日 23時
