第四節「過去」 ページ16
話せば長くなる。
俺は和泉三月という名前でこの世に生まれた
母や父はそれはもう俺を可愛がってくれて、本当に幸せだった
そんな幸せが、全て偽りであったと絶望したのは『和泉一織』という弟が生まれてからだった
最初こそは俺だって可愛がって貰っていたが、歳が増していくごとにいつの間にか対応に天地の差が生まれていた
今考えれば、当たり前だったのかもしれない。和泉というのは若いとはいえ、魔術師の一家で、現実とまるで離れた場所にいたのだ
俺と一織との差はそこにあった
天才と凡人、並べるだけ無駄だろう？俺にできないことを一織は意図も簡単にやってのけてしまう
俺が寝る間も惜しんで、何度も何度も練習した魔術。それを一織は１回で成功させてしまうのだ
そんなものを、目の前で見せられた俺の気持ちにもなってみろよ
存在意義すら疑ったさ、天才に凡人が勝てるはずがない。当時の俺は自信作の魔晶石を力の限り粉々にした。憎悪、嫌悪、嫉妬……挙句には、殺意。休むことを知らない感情達は俺を蝕み、悪魔のように囁いていくのだ
『もう死ね』『その方が楽だぜ？』『なんで生きてるんだ』
自分の声で嘲笑ってくる。でも俺には、死ぬ勇気すらなかった
だから、逃げ出したんだ。和泉という家から
一般の大学に行き、陸と出会い、魔術とはかけ離れた平凡な生活
偽りのないその生活が、今の俺にとって至高の幸せだった。それなのに、それなのに！！
｢はぁっ、はぁ｣
先程の白い男の顔と映像が過ぎる。あれは間違いなく幻術、しかもかなり高度のものだった
あんなものを作れるのは超級の魔術師ぐらいだ。しかもあいつは自分の事を｢マーリン｣と名乗った。マーリンといえば、アーサー王の師であり、冠位の魔術師とも言われる。あのマーリンか
思い返せば、あんな事は人間には不可能。しかも夢魔が得意とする幻術。だがマーリンはアヴァロンの塔に幽閉されていて、死んでいない
そいつが英霊の座について、現界…？
｢＿＿う〜ん、ちょっと違うかな｣
ドンッと、鈍い音を立てて目の前にいた人物にぶつかった。思わず後ろへと体制を崩した。これは倒れる。そう思って、目を瞑ると、それは途中で止まった
腕が強引に引かれ、思わず目を開けると視界全体に美形が広がっている
驚愕しすぎて、声も出なかった。俺は足の速さには自信があったのに、相手は息切れひとつせずに平然と目の前に立っているではないか
｢私は大嫌いなんだよ。『この世界』が｣
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桓騎軍モブＡ(プロフ) - ふぇいにゃさん» ありがとうございます！亀ではありますが、頑張らせていただきます！、そうですね！聖杯戦争という形ではstay nightやZeroを参考にさせて頂いております！キャラクターはFGOを参考に！ (2018年3月1日 19時) (
レス) id: e343ab819a (このIDを非表示/違反報告)
ふぇいにゃ - stay nightですかね？Fateの方は。良いですよね〜全体的に！！ (2018年3月1日 0時) (レス) id: d1b94353af (このIDを非表示/違反報告)
ふぇいにゃ - にゃんと！！アイナナとFateの掛け合わせ作品とは！！私の超好みではないか((面白かったです！更新頑張ってくださいね♪ (2018年3月1日 0時) (レス) id: d1b94353af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桓騎軍モブＡ | 作成日時：2018年2月22日 23時
