５【第三節 終】 ページ15
｢聞いてない…！！｣
怒鳴り声は、天の横に立つ陸から発せられたものだった
陸は天の背中に回り、天の服を力強く握る
二人の目の前にいる人物は悠然と微笑んだまま。かなり不気味、怖い
実はあの後、ミルディン…いや、マーリンと別れた後、タクシーを呼びここまで来たわけだが
住宅街にあった妙にデカい洋風の建物、陸の実家とはかけ離れているそれの表札に、『九条』と刻まれていた
そしてその建物の前に立っている『九条鷹匡』
聞いていない。全く聞いていない。天にタクシーの中で聖杯戦争の事とか、マスターとかサーヴァントとか色々聞いていたが、まさかここに来るなんて思ってもいなかった
突然、天敵にあった子鹿のような気持ちだ。今すぐ跳ねて逃げ出したい
｢天。事情を説明してもらえるかな｣
眉一つ動かさずに天に問いただすそれは、脅威。威圧。脅しに思えて、陸は天の服を掴む手に力を入れた
｢……まずはこれを｣
それに怯まず、冷静に発言する天にぃかっこいいとか思っていた矢先に、天に強引に右腕を掴まれ前に引っ張り出される
突然の事で固まっていると、天は令呪を隠してある陸の右手の包帯を手際よく外した
｢七瀬陸に令呪が宿りました。その瞬間も見ていました
問題が１つあります。やはり、僕と同じように令呪が２画しかありません｣
九条鷹匡は一度目を見開くと、顔を歪ませて｢そうか…｣と呟くと、背を向けていたドアに向かい合い、それを開ける
｢…入りなさい｣
陸は解放された右腕を確認して、また天の後ろへ隠れる
少し歩きづらいが、天はそれを気にせずに九条鷹匡の背中を追って屋敷の中へ入る。まず玄関がない。靴箱もなし。入った瞬間に高い天井が広がっていて、まるで英国にあるような豪華な城のようだった
ここは日本だろうか、と疑う程に
すると、九条鷹匡は距離を置いたあと、ゆっくりとこちらに振り返った
｢＿＿ようこそ、我が魔術工房へ。七瀬陸｣
バタンッッ、と、背を向けていたはずの扉が大きく音を立てて閉まったのだ
自然に閉まったとは思えないその音に、思わず身体が飛び跳ねた
｢九条さん。脅すような真似はやめてください
彼の身体についてはご存知でしょう｣
｢あぁ、もちろんだよ。遊び心さ｣
目を細めてこちらにほほ笑みかける九条は本当になんらかの怪物なのではないかと、かんちがいするほど不気味だった
九条はまた、ゆっくりと口を開いた
｢では、聖杯戦争の話をしようか｣
ふと、背後に気配を感じた気がした
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桓騎軍モブＡ(プロフ) - ふぇいにゃさん» ありがとうございます！亀ではありますが、頑張らせていただきます！、そうですね！聖杯戦争という形ではstay nightやZeroを参考にさせて頂いております！キャラクターはFGOを参考に！ (2018年3月1日 19時) (
レス) id: e343ab819a (このIDを非表示/違反報告)
ふぇいにゃ - stay nightですかね？Fateの方は。良いですよね〜全体的に！！ (2018年3月1日 0時) (レス) id: d1b94353af (このIDを非表示/違反報告)
ふぇいにゃ - にゃんと！！アイナナとFateの掛け合わせ作品とは！！私の超好みではないか((面白かったです！更新頑張ってくださいね♪ (2018年3月1日 0時) (レス) id: d1b94353af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桓騎軍モブＡ | 作成日時：2018年2月22日 23時
