むしろ嫉妬させられる ページ3
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岩泉から怒りの後頭部バレーボール殴りを食らい、やっと戻ってきた及川。痛む後頭部をさすりながらAに聞こえるように自慢をしだした。
及川「まぁた女の子たちに囲まれちゃった〜手作りクッキーなんてくれてさ〜優しいよね〜！」
チラチラとAの方を見るが、まだ金田一と国見と楽しそうに話している。及川の大きな大きな独り言…いや、アピールに気づきもしない……
A「金田一、糸がほつれてるわよ、ほらここ」
金田一「え、マジすか！」
A「引っ張っちゃダメよ。後で直してあげるわ」
金田一「アザっす！」
国見「Aさん、まつ毛ついてます」
A「どこ？」
国見「あ、とれました」
答える前に国見がAの頬に触れ、まつ毛を取ってあげていた。ありがとう、とAは微笑んだ。及川の方を見てから取った国見は確信犯だ。
及川「く、国見ちゃんめ……あのクソガキ……ッ！」
及川は手をワナワナと震えさせた。そしてムキになって思わずAの名前を呼んだ。
及川「…ねえAちゃん！！」
A「なに」
及川「他校の女の子たちから差し入れもらってさ〜！手作りクッキー！美味しかったんだ！！」
さりげなくアピールするはずが面と向かって報告し出す及川に花巻たちは笑いそうになるのを必死に耐える。
A「よかったわね」
及川「〜ッッ！！5、6人くらいの子達に囲まれてさ〜！みんな可愛かったんだよねッ！！」
必死すぎて哀れな姿を晒す及川だが気にしてなれなかった。めんどくさいことに及川はどうしてもAにヤキモチを焼いて欲しいのだ。
そんな時、周りから噂声が聞こえた…
「あ、青城の美人マネだ！噂通り、いや、噂以上の美人だな……！」
「うわ色っぽ〜……！！」
「スゲェ可愛い！！声かけてぇ〜……」
「ムリムリ！目合わせるだけで緊張するって！」
しかしAはそんな声にニコリともしないし、見向きもしない。及川なら、こうやって女子に言われた時、ニコッと笑って手も振っていただろう
A「それで？」
及川は無関心すぎるAの反応にガーンと効果音がつきそうなほど肩を落とした
及川「……ナンデモナイデス」
花巻「及川、完全敗北！」
松川「あーあ笑」
岩泉「情けねえ奴だな」
及川「う、うるさいよ！！」
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