バレー馬鹿 ページ16
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及川side
はじめて、影山Aの噂を聞いた時、どうせ天才なんだろうなと思っていた。
岩泉「なあ、あいつスゲー上手いらしいぜ!」
岩ちゃんに誘われて仕方なく試合を見に行った。でも実際にプレーする彼女を見た時、目が離せなくなった。凄く楽しそうで、瞳がキラキラと輝いていて、バレーが本当に好きなんだなって……一目惚れした。
でも、天才だから。同じセッターってこともあって、敵視というかライバル心が芽生えたというか、俺は彼女に突っかかるようになった
……全然相手にされてなかったけど!
突っかかっていると見えたものがあった。それは、彼女の努力。自主練一人でも残っていたり、休みの日でもランニングしていたり、休み時間にバレーの本を熱心に読んでいる姿を何度も見て、俺が思っているよりも、泥臭くて地道なことをたくさんしていて……何よりバレー馬鹿だったのだ。
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……ある日、水道で水を入れに行こうとしたときのこと
「Aが居ると勝てるから楽だわー」
「まじそれな」
「コーチもAばっか贔屓するしねー」
「顔がいいからじゃない?」
「確かに笑」
なんて話しているAちゃんのチームメイト。俺はカチンと来て思わず飛び出そうとする
A「及川、」
及川「!Aちゃん」
Aちゃんに止められてしまった
及川「なんで止めるのさ。ムカつかないの?あいつら、Aちゃんが頑張ってること知らないでさ……!」
A「ええ、ムカつくわよ?でも、自分の嫌いな奴が自分にとって最高のトスを上げてくるのってもっとムカつかない?」
及川「!」
意地悪に笑う彼女にドキリとした
俺はAちゃんに恋したことを認めた。天才だのなんだと拗らせていたけど、それがなくなった。
それから、前よりも付き纏うようになった。相変わらず相手にされてなかったし、もちろんウザがられてたけどね……ハハ
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