［stpr］お兄ちゃんなんか、嫌い。〜third season〜

第九十八話 ページ40

ありす「久しぶりっ！」


今日は、久しぶりにころんさんの実家に遊びに来た。
相変わらずブーちゃんを片手に元気なありすちゃんは、門まで迎えに来てくれた。


海愛「はじめまして！このお姉ちゃんの姉の海愛だよ！」

ありす「お姉ちゃんのお姉ちゃん？」

海愛「まぁ、そういうことだね！
私が一番お姉ちゃんってことだ」

『姉ぶるな？』


いっつも妹たよりすぎなんだよ。


ころん「いらっしゃーい」


勇二さんと順子さんは、もあなちゃんの保育園を見に行ったらしく、ありすちゃんところんさんがお留守番してたらしい。


ころん「もうすぐ、ここからカノハの家のほうに引っ越すらしいよ。」

『え、そうなんですか？』


てことはころんさん結構近所に住むんだなぁ。




元気溢れる海愛とありすちゃんは以外にも気が合うらしく、二人できゃっきゃと騒ぎながら子供部屋に上がっていった。



…と思いきや。

海愛「あっ！ころちゃん！これあげるっ！」


海愛が戻ってきて、ずっと持っていた紙袋を差し出す。
何なのか気になってたんだよねぇ…



ころん「え、ありがと。見ていい？」


海愛「良いよ！」



ころんさんが紙袋から取り出したものを見て、私は思わず顔をしかめた。




ころん「しゅ、シュークリーム？」






丸焦げのシュークリームだった。




海愛「莉犬くんと作ったんだけど失敗しちゃった！
お兄ちゃんたちにあげる予定だったけど、完璧なのあげたいからさ。
ころちゃん食べて！」


え、めちゃくちゃ黒いけど大丈夫なの？


ころん「いや、さすがにこれ無理でしょ…
僕って失敗作消費係なの？」




海愛「そういうことなのかな」





…こいつ推しをなんだとおもってるんだろう？

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