悲劇に浸るのか ページ43
□引き継ぎレイン視点♻︎
「……なんだこれは」
『あ、レインくん』
魔法具倉庫の確認をし、約束通りイーストン校の説明(?)をする為Aの執務室へ来たのは良いが……
「この大量の手紙はなんだ」
そう問えば『あ、気にしないで全部差出人は一緒だから』と言ってヘラっと笑う此奴の精神を疑う。
床一面に散らばっている手紙を見向きもせず淡々と執筆をし続ける姿に、思わず不気味さを感じてしまう
試しに足元にある手紙に手を伸ばす。其処には差出人の名前も、宛先であるAの名前も書いていなかった。手紙の中にはただ一行だけ。
イーストンは愚者の思想、染まるべからず___
文面から漂う老害臭に眉を顰める。すると、それに気づいたのか流れるように万年筆を綴りながら軽く笑いAは言った
『あはは…ごめん不快だったよね。これ、家の人からのなんだ』
その時の笑った顔は普段よりも元気がなかった。レインはその表情を見た後、ゆっくりと視線を手紙に移し
破いた。
「(此奴の家がゴミしかいねぇのは知ってたが……)」
此奴の笑顔まで侵食してんのかよ
パラパラと細切れになった手紙を床に捨てる。Aはそんな俺を見て怒りもせず困ったように笑った。それさえも腹立たしい
床、捨てないで。というAの言葉を無視しダンッと事務机を叩く。急な大きな音に驚いたのか肩を大きく揺らしたAを見下ろす
『か、顔怖いよ……?あと書類が…』
そう言ったAの視線の先には机を叩いた拳の下にある、皺だらけになった書類があった。が、普段なら一言でも謝っていたそれでさえも俺の頭に入る事は無かった
「お前は、ただ馬鹿みたいに笑ってれば良い」
大きく眼を見開き此方を見上げるAと目が合う。数秒、数十秒の沈黙が流れてもその光景は少しも変わらない。
俺はAが答えるまで逃すつもりもない、それは此奴も分かっている事だ
瞬きすらしていなかった瞳が、小さく鼓動する。苦しげに揺れた其れに、胸が刺されるのを覚えながら俺はまた口を開いた
傷つけて、嫌われてしまうかもしれない言葉___
「だが、己で何も考えず、見ず、行動しない奴は"愚者"でしかない。悲劇に浸ってばかりの……___」
髪で隠れ、見えない横顔をジッと見つめる
.
「ゴミだ」
.
_____嗚呼クソ、嫌われた
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あやなみ。(プロフ) - きぬ田さん» 有難うございます、此方こそずっと会話できたらなと思ってます。これから宜しくお願いいたします。 (3月17日 18時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
きぬ田(プロフ) - あやなみ。さん» こちらこそよろしくお願いします!お話出来る人がいて嬉しいです!ボードも作ってくださりありがとうございます! (3月17日 18時) (レス) id: f1e01a76a5 (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - きぬ田さん» わぁ!よかったです!あのそこで会話しましょう!ボード返事とかもお待ちしています、これから宜しくお願いします。 (3月17日 18時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
きぬ田(プロフ) - あやなみ。さん» 本当だ!来てました!ありがとうございます〜沢山話しましょ! (3月17日 18時) (レス) id: f1e01a76a5 (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ。(プロフ) - きぬ田さん» あのきぬ田さんのボードに返事もう送っておりますのでそこで会話しましょう。通知とか来てると思うのでご確認お願いします。 (3月17日 18時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きぬ田 | 作成日時:2024年1月28日 22時