嫌われているらしい ページ5
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降「正直に言おう。僕はお前の事が嫌いだ」
『えぇ〜、急すぎやしません?』
カレーをスプーンで掬い食べようと口を開けた瞬間、降谷にそんな事を言われる。『真正面から嫌悪ぶつけられた…』と落ち込みながらスプーンを一旦皿に置いて降谷の方へ向いた
『で、なんで?』
彼は理由もなく人を嫌うタイプの人間では無いので私に何か非があったのだろうと思い、首を軽く傾げながら降谷に聞いた
降「……巫山戯ているからだ」
『というと?』
降「授業中の集中の無さ。実技の基礎を無視した対処方法
……なのに、先日の鬼塚教官の対処は適切。そんな奴が警察学校の試験を突破している事がだ」
『後半私は悪くなく無い?』
悔しそうに顔を歪める降谷にツッコミを入れる。前半はさ、まあムカついたんだろうなーって理解出来るけど後半に関しては私知らんて。試験突破した事に関しては試験官に言え
あと恐らく、先日の対処というのは鬼塚教官、首吊り事件だろう。あれは凄かった
『鬼塚教官の件に関しては君等が色々とやってくれていたから、殆どやる事が残っていない私が多少補助したまでだよ』
そんな私なんかよりも突出した観察力を披露した萩原や銃を直せるまでの腕を持つ松田。そして優れた銃の扱いを見せた降谷、君達の方がうんと凄いよ____そう言えば降谷は更に不快そうに顔を歪めた
うーん、イケメンな人にそんな表情をされると傷つくなぁ
降「正直、あれは僕達五人で解決出来ると思っていた。…だが穴があった。そして鷹司、君がそれを予想していたように対処したんだ
……驚いたよ、だって君は授業でも優秀な結果を見せていた訳では無かったんだから」
『実際優秀じゃないんで。あんなの偶然だよ偶然、気にし過ぎ』
頭フル回転マンですかー?と聞くが返答はなし、まるで屍のようだ。
降谷も屍になったしカレーも食べ終わったし食器を返しに行くか、と席を立ちがろうとすると、ガシッと腕を掴まれた。勿論犯人は降谷だ
『ん、どうしたの?』
降「……何故、真面目にやらない」
『あまり労力を使いたくないから?』
降「だったら嫌でも本気を出させてやる。……次の実技、どちらが勝つか賭けだ」
『アイス奢ってくれるならいいよ』
私がグッジョブと手を出しながら答えると「分かった」とだけ言って降谷は食器を持って返却場へと長い脚を惜しみ無く進めていった。嵐か
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作者名:きぬ田 | 作成日時:2024年3月22日 18時