爆モテの片想い (ページ43)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:107,770 hit

・ページ43

それから樹は目をつぶったまま俺の腕の中で動かなくなった
そっと額に手を当てると熱すぎてすぐ手を離した

医務室に樹を運んだ後俺はただ樹の頭を撫で続けた
こうするのあの日以来だな、、

『うわっ樹起きた？』

俺は笑って樹の方を見ると
何か思い出したのか急に起き上がっ謝ってきた

『寝てないとまた倒れるって』

それから俺はやっと樹に謝れた
あの日樹が倒れた事を謝ってくる樹

『、、樹は馬鹿だよっ』

その時俺の中で何かが切れたみたいに急に涙が止まらなくなった

樹「ごめんっもうわかったから」

『何がっ』

樹が今思っている事が俺には少しも分からなかった
何を分かっているのかさっぱりで
あの日の事を聞こうと思っても、こーちに邪魔されてそのまま追い出された
そして樹は入院した
それからしばらくしてまたいつもみたいに楽屋にいるとマネージャーが真面目な顔して入ってきた

マ「ちょっと皆集まってもらっていいかな」

そこでマネージャーから樹が活動休止するのを聞かされた。俺には全く理解出来なかった

ジェシーは案外半年は短いとか言ってるけど
俺にとっては長い

それから俺は樹に毎日メールを送った

前樹から重いとか言われたけど、今はそんなの関係ない
ただ樹と話したかった

なのに連絡は一切帰ってこないまま

案外ジェシーが言ったように半年はあっという間だった

ドラマの出演が決まって、それに合わせて雑誌の撮影、
インタビューを受けたり、番宣でいろんな番組に出た

いつもならつっこんでくれる樹がいるのに、今はドラマ関係だからいつも1人
やっぱり皆がいないと心細いな

やっと落ち着いたと思ったら今度はセリフ覚えで
何日も寝れない日が続いた

そんな生活をしていた日の夜
突然携帯が鳴って画面には

"田中樹"

の文字があった
返信をくれた事がすごく嬉しくて
明日帰ってくるのが分かった

やっと樹に会える、そう思っただけで気が楽になって
俺は台本を片手に眠ってしまった

俺が目を覚ました時にはもう集合1時間前だった
完全に寝坊だ、、

『やっべ、、、いっ』

急に頭に激痛が走った、これあの時と一緒だ
今体調なんか崩してられないのにっ
俺は無理やりにも体を起こして、そのまま家を出た

『ごめん遅れたっ、、樹』

そこにいたのは俺がずっと会いたかった人

樹「北斗、久しぶり」

そう樹に言われた瞬間、なんかモヤっとした
あぁこれは俺吐くな、、そう思って樹には申し訳ないが
楽屋を飛び出してトイレに向かった