16 ページ16
河野先生「佐藤ちゃん、化学苦手なんやろ？」
担任の先生から
佐藤は化学以外は成績いいんだけどなーって聞いたらしく
河野先生がそう言ってきた
『あー…はい』
“でも！先生のおかげでちょっとだけ分かった気がします”
「ちょっとかい！笑
でも中間テストまでには得意にならな！
それまで頑張ろな！」
って右手をグーにしてこっちに向けてくるから
『はい！頑張ります！！』
私もグーにしてその手に合わせた
ほんとは中間テストの結果を先生に報告したいけど
そのときには先生の実習期間が終わってて
会えなくなるんだなぁって思うと急に寂しくなっちゃって
下を向いて黙った私をみて
河野先生「佐藤ちゃんどうしたん？」
って優しい声をかけながら
顔を覗き込んでくるから
『いや、なんか
先生がいなくなっちゃうの寂しいなぁって思って…』
私も素直になっちゃって
思ってることをそのまま呟けば
河野先生「……」
目をまん丸にして驚いてる河野先生
『別にその、変な意味じゃなくて！』
こんなこと言って困らせちゃったかな…
不安になって慌ててそういえば
河野先生「いやごめん！なんていうか…そんなこと言ってくれるなんてめっちゃ嬉しくて、先生なるためにもっと頑張らんとなぁって思っててん」
って先生が必死に自分の気持ちを
伝えようとしてくれるから
『あはは笑 そんな必死にならなくても笑』
思わず笑っちゃった私に
“こら、笑うな”って頭をコツンと叩いてる先生
でもすぐに
河野先生「佐藤ちゃんの悲しい顔見たくないねん」
真剣な顔してそんなこと言うから
心臓がドクンと音を立てる
河野先生「佐藤ちゃんは笑った顔が1番やからな」
って笑って私の頭を撫でる先生
『……//』
こういうことを無意識にやっちゃう河野先生って
もうほんとに━━━━━━━
『…ずるいです』
河野先生「え？」
ぼそっと呟いた私の言葉は
先生には聞こえなかったみたいで
私の顔を見てきょとんとしてる
『…っなんでもないです！
あーあとこれ！分からないんで聞いてもいいですか？』
河野先生「なんやねん笑 気になるやんか」
なんて言ってる先生を流して
必死に誤魔化した
『じゃあ、次これなんですけど…』
そう言って
また問題に取りかかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sio(プロフ) - 五十鈴玲音さん» コメントありがとうございます＾＾！楽しんでいただけたみたいで嬉しいです！これからも楽しんでいただけるようがんばります！ (2022年5月27日 19時) (
レス) id: b3ea78e719 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴玲音(プロフ) - コメント失礼致します。主人公も純喜も不器用な感じが可愛くて楽しく読ませていただきました！これからも作品の更新楽しみにしています☺ (2022年5月25日 14時) (レス) @page48 id: 17dcd8ad24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sio | 作成日時：2022年3月31日 22時
