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堕天使 ページ7

Ran side


ここ5日程仕事が立て込んでいた。
Aにはかなりしんどいと思ったが、家に帰れる暇がねぇ。
酷だとは思ったが連れて回る。
睡眠もなるべく取らせるようにしていたが……、いや、限界だったか。

眉間のシワ……おもしれぇ顔……。

目の前の男はなかなか金の返済をしない奴で最終期日は今日。
今日支払い出来なければ……。
まー、撃つな。絶対撃つ。

そう思っていれば案の定。2日前に高飛びしたのか行方不明になったとの情報得て探し回ってみればこんな港町に逃げてきちゃってねぇ。
多額の保険金がかかってんだ。黙って死 ねよ。

震える体で土下座をしながら懇願している男に嘲笑う。

すると竜胆が抱いていたAが腕から降り俺が構えていた銃を奪い取る。


おーおー。見よう見まねかー?
そんなんで撃てるわけ……撃ちやがった……。

何時ぶりだろうか、こんなにも心が踊るような気持ちになったのは。
少しずつその無垢な翼を汚していく快感。
そのまま俺らの所まで堕ちてこいよA。

───────

Rindo side

Aが撃った……。
正直驚いた。
確かにここに来る前は凄く機嫌の悪そうな顔をしていたし、連日の睡眠不足と疲労で精神的にもピークなのでは?とは思っていたが
まさかここまでとは……。


しかもちゃんと当てやがったぞこいつ。

銃は集中力と踏み込みで決まる。
まぁ、急所を外してトドメを刺し損ねてるが……。
初めてにしては上出来、合格ラインだ。

そこで集中力が切れたのか、糸の切れた人形のように脱力し、その場に倒れそうになるAを受け止め支える。


ぐったりとはしているが、規則正しく呼吸はしている。

体力の限界だろう。


こいつキレたら何するかわからねータイプのやつだわ。
喧嘩すんのは避けよ。



面白いものが見れた。
内心すげー嬉しいわ。

堕ちたな。そう思った。
おいで、A。

俺たちのところまで堕ちてこい。
逃げられねぇところまで堕ちてこい。


逃がしてやる気はねーぞ。


今はまだ自分の意思では出来ないだろうが
徐々に出来るようになる。
それまでは俺たちが後片付けしてやるからな。


Aが落とした銃を拾い上げ片手でグリップを握り直しリロードし、トリガーを引く。

打ち出された銃弾は男の眉間に風穴を開ける。


兄ちゃんが部下に処理の為に場所を知らせている間に男のスーツを漁る。

シャツを剥ぐとAが貫いたのが肺だと分かった。

こいつ、俺らより酷じゃん。

未来有望な事兄ちゃんに伝えてやろーっと。

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作者名:あみ | 作成日時:2021年9月19日 14時

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