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勿忘草 ページ46

(注意)
本編も残すところ、わずかとなります。
最後メリバで終わります。
苦手な方は次の章立ち上げまでお待ちください。

お話自体はハピエンで終わる予定になっております!
こちらのメリバは流れで2ページほどで終わります。

───────

真っ暗な空間に目まぐるしく思い出がフィルムのように流れていく。

そう、お風呂で蘭ちゃんが……。
竜ちゃんのパンケーキ美味しかったなぁ……。

フィルムの合間に2人の後ろ姿が見えた。
恋焦がれた2人を私の気持ちばかりが追いかける。

『蘭ちゃん!竜ちゃん!』


追いかけている……はずだったのに、体は動かない。

『待って!行かないで……』

真っ赤な瞳から零れ落ちる雫は底の見えない闇へと落ちていく。

『蘭ちゃん!竜ちゃん!ねえ!』

どんどん2人の背中は遠く小さくなり、闇へと飲み込まれて行った。


『いや……1人にしないで……いやぁぁぁあああぁああ!!!』



その瞬間、胃から混み上がる何かで目を覚ました。


『……うっ』

?「やっと起きたぜ。いつまで寝てんだクソガキ」

ぼんやりとする意識を必死に起こす。

(ここは……どこかの倉庫みたい……)


優「おはよう瑠璃。いや、Aと、呼ぶ方が正しいか?」

久しぶりに呼ばれる本名に意識が覚醒する。
やっぱり罠だったんだ……。


優「内情を探ろうと送られてきた刺客がこんなガキとは思わなかったよ。でも何も収穫はなかっただろう?お前はここで死ぬ。梵天も俺が討ち取ってこの国のトップは俺のもんだ」

言い終わると優成は高らかに笑った。


『梵天は来ない。』

そう言えば腹を殴られる。

『ぐ……っ』


優「来ないじゃない。呼ぶんだよお前を使って。その為にこうして生かしておいたんだから……なっ!」

もう1発……。

1発1発が重く殴られる度に骨が軋む音がする。

痛い
苦しい
こんな思い久しぶりで思い出すことすら躊躇われた過去が顔を出す。

優「おら!泣け!叫べ!助けを乞え!」


叫んではダメだ。
泣いてはダメだ。
助けなんて来ない。


私はここで2人のために死ぬんだ……。
2人のために……。


(お願い、来ないで……でもどうせ死ぬのなら、最後にもう一度2人の顔を見たかったな……)


抱きしめて、キスして、大好きだって伝えたかった。


口の中に広がる胃液と血の味に気持ち悪くなりながらも、遠のく意識の中で想うのは2人が笑顔である事だった。


蘭「よぉ。うちの子が世話になったよ〜だなぁ」

竜「洗いざらい吐かせてやるよ。楽に死ねると思うな」

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作者名:あみ | 作成日時:2021年9月19日 14時

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