虹色の橋 (ページ39)

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柘榴の雫ページ39

接触後、上手く行けば連れ帰って貰えるように誘導
上手くいかなければ日を改めて第2STEPへ。

現在の状況は前者を指している。
接触後、六本木のとあるショップを指定したところ
真逆の方向へと車はタイヤを滑らせ始めた。

慌てふためく演技を行い
ターゲットは私に交渉を持ち出してきた。

1つ目は、自分のお手伝いさんという名のマスコットになる

2つ目は、このまま拉致監禁か。

計画を成功させるために踏むはずの工程をこうも簡単に相手が提示してくるとはなにか罠がありそうだと警戒をしつつ
こちらも前者を選ぶ。

下手をすれば個々で数日削られるはずだったのに
ものの数分で片付いてしまった。

(これ、この後どうしようかな……計画だと3日後まで空白なんだけどー……)

途中でバレてしまっては元も子もない。
ここは殺されない程度に、監禁されない程度に
なるべく嫌々従っていてあげよう。

いくらなんでも祖父孫ほど離れたガキを夜襲うなど……ないと願いたい。

そのまま数分車を走らせると、とあるビルの前でエンジンを止める。

おそらく彼のアジトだろう。
ビル間にひっそりとまるでただの広告会社のような看板を掲げたそのビルにターゲットは私の背を押しながら入っていった。

エレベーターのボタンを押し9階へと到達。

そこはビルの外見からは想像もつかないほど広く綺麗なオープンオフィスになっていた。

部屋の中心に大きなガラステーブルが置いてあり
それを囲うようにソファーが並んでいて
いかにも高そうな家具しかなかった。

(なんの商売しているんだろう？)

梵天が目を付け、その情報を得ようとするくらい大事な商売なのだろう。

？「さぁ、お嬢さん、そこに座って、自己紹介をしよう」

鳥肌の立つようなその声は実に不愉快極まりなかった。

？「私の名前は槙島優成(まきしまゆうせい)と、いう。気軽に優成と呼んでくれ」

ターゲットの名前と一致。

『愛咲瑠璃(あいさきるり)です。もうすぐ14になります。……あのぉ、私はここで何をすれば……？』

優「はっはっはっ、せっかちなお嬢さんだ。」

蘭ちゃんが言いそうな台詞に嫌悪感しかない。

優「瑠璃、君には私に付き添って仕事を回ってもらうよ。私は君を気に入った。私の為に働きなさい」

(心底嫌ですお断りします願い下げです〜)

顔に不安そうな色を浮べる。
何度も練習した表情筋を活躍させる。

そうじゃないと……泣きそうだった。