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鬼灯の愛(微グロ) ページ31

私が信じた愛情は嘘だった。
偽り。




信じてきたものは全てが崩れていく。
もしかして今も……?
今溺れている愛情すらにも疑心が宿る。

信じたい……でも怖くて言い出せない。


今は蘭ちゃんの帰りを竜ちゃんの首にしがみつきながら待つしか道は残っていなかった。



私は……



───────────

残された蘭と父。


父「なぁ」

蘭「あ〜?最後に一言とか生ぬるい事言うなよ〜?」

父「本当にいいのか?小娘1人のためにこの商談を放棄して」

蘭「あ〜、我らが首領の判断だからな〜」

父「どうゆう事だ」

蘭「冥土の土産だ。首領の言葉だ、よく聞け」


蘭はスマホを操作し男に聞こえるようにスピーカーにする。

父「なんだ」

マ「取引はこちらから辞退する」

父「なんだと?」

マ「お前が今回取引を持ち掛けてきた時、Aを商談相手に選んだ。おかしいと思ったからお前のことを調べた」

父「……ほぉ?」

マ「後は米粒以下の脳みそで考えるんだな。と言っても答えがわかる前にはあの世に行ってるだろうがな」


ツーツーツー……と通話を終了する音が聞き取れたと同時に1発の銃声が空気を震わす。


蘭「お前は1発じゃ殺さねぇよ」

一発目の銃弾は左太ももを貫いた。

父「ぐあああっ!!」

蘭「Aに殺されなくて良かったな〜。あいつは優しいから直ぐに逝けだろうからな〜」

そして2発目の銃声が鳴り響く。

その銃弾は男の右耳に穴を開ける。

声にならない叫び声が上がる。


左耳、右頬、右肩、左肩、左手の甲、右足の甲。


次々に繰り出される銃弾が男の体に穴を開け、鮮血が吹き出る。

そしてとうとう足元の血溜まりにその身を崩し、男は動かなくなった。

蘭「あ〜あ、動かなくなっちまったな〜」

蘭は先程まで生きていたそれに歩み寄り
グシャッと足蹴にする。


蘭「人の大事なもん奪お〜とした罰。あの世で悔いてろ」


始末を終え車に戻る為踵を返す。

戻りながら考える。
どうにも腑に落ちない事がある。
Aだけが生き残ったあの事件は新聞、テレビを始め
世間を騒がせた。被害者は3人。
いずれも死亡を確認された筈。

マスコミや警察まで手をこまめて、あの男が死んだ風にしたのか?
何のために?
そんなにAを独占していたかったのなら
その夜Aを連れて身を隠せばよかったものを
自分も死んだように見せかけた?


蘭「聞いて殺せば良かったな〜」

少しの後悔とそれを上回る爽快感と
残った硝煙の香り。
それと答えの出ない疑問。

薄紫の灯火→←悲しみの果て



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作者名:あみ | 作成日時:2021年9月19日 14時

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