1 ページ1
JK「Aさん、……Aさん、」
「……。」
大きなダンボールを持って廊下を走る私の後ろを、ちょこまか着いてくるのは、愛犬でも、親戚の3歳児でもない。
JK「Aさん、今日の僕の衣装ってAさんが考えてくれたんですか？いつもよりセンスいいなって、」
「私じゃありません。」
JK「ですよね知ってました。ところで明日の撮影なんですけど」
「私じゃなくてマネージャーさんに聞いてください。」
今、彼らを知らない人はいるのだろうか。
世界を飛び回って、その度にファンを増やして。
JN「ジョングクー！行くぞー！」
JK「……ﾁｯ､」
後ろから聞こえた小さな舌打ちに、背筋が凍る。
ちらっと見れば、無表情で、ジンさんの声が聞こえてきた方を睨むジョングクさん。
……人ってここまで裏表が激しいものなのか。
JK「じゃあAさんまた後で！」
「……お疲れ様です。」
ころっと表情を変えてうさぎのように帰っていったジョングクさんを、抱えていたダンボール越しに見送る。
「……はぁ…………、」
SY「相変わらずだなぁジョングクさん。」
「……ソユン。」
Big Hitに就職して4年。
BTSの専属スタイリストとして働き始めて2年。
それなりに結果も残してきた。会社にも貢献してきた。
だけど、別にアイドルから好かれようなんざ思ってもいない。
SY「なんか、ジョングクが落ちるようなことやったの？」
「……やめてよ、落ちるとかそういうの。私何もやってないし、極力会話もしないようにしてるのに。」
(……そうだ、ジョングクさんが私に対してあんな、しっぽを振った犬みたいな反応をすることがおかしいんだ。)
接点なんか、スタイリストとして衣装を用意してあげるくらいしかない。
それに彼らはスーパースターだ。
むやみに近づいたら、牙をむくファンだっている。
そんな人達の餌食になろうなんか、これっぽっちも思っちゃいない。
SY「こっちからしたら羨ましい限りよ。」
「……疲れるだけだよ…。」
SY「まぁ頑張って。今日もあとひと仕事でしょ。」
「…うーん、」
腕時計に手をやると、次の撮影まで1時間を切っていた。
「……やば、行かなきゃ。」
SY「1つ持つよそのダンボール。」
「ありがと。」
私に気づいて、しっぽを振るジョングクさんの姿が頭にチラつく。
「……ソユン、今日飲み行こ。」
SY「いいよん。」
重い足を動かし、彼らのいる元へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3917人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有彩色(プロフ) - あかさたなはまやらわさん» ご指摘ありがとうございます。全部修正したつもりですが、まだどこか間違えがあったらすみません。教えて下さりありがとうございました。 (2020年12月13日 13時) (
レス) id: 57c9d142db (このIDを非表示/違反報告)
あかさたなはまやらわ - ジヌン、ジアン、書き間違えかな(。・_・。)ノ (2020年7月16日 16時) (レス) id: 4828d3fec9 (このIDを非表示/違反報告)
有彩色(プロフ) - abcさん» 私も書いていて凄く楽しかったです！！最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました！！！！！ (2020年6月16日 22時) (レス) id: 57c9d142db (このIDを非表示/違反報告)
abc(プロフ) - うわわわその後の2人をありがとうございます号泣です、、！！最高でした、、！！！ (2020年5月27日 1時) (レス) id: f333b14585 (このIDを非表示/違反報告)
有彩色(プロフ) - shining starさん» えwあるんですか！？ごま油検定！！ww適当に書いたのに衝撃です笑)コメント、とても嬉しかったです！！ありがとうございました！！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 57c9d142db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：有彩色
| 作成日時：2020年3月12日 0時
