紅一点ですが優しくされる気配がありません ３

普段 ページ15

TH Side








ある雑誌の撮影で、俺とヌナがペアになった。





よくビジュアル組とか言って、なんとなくセットにはされるから、俺的には優越感がそりゃあもう沸きに沸いている。








今日の撮影も、監督の指示に従ってヌナとポージングしていた。





『じゃあ、次はフリーでいいから、いつも通りの雰囲気見せてー』









いつも通りと言われ、バッチリ決めていた表情を無に戻す。



(……いつも通り……。)









そう言えばいつも通りってどんな感じだっけ。

考えてみると普段が思い出せなくて、取り敢えず昨日ヌナと観たアニメの話をしようと、ヌナの方を向くと。








「テヒョン〜おすわり〜！」









TH「……………………は？」









手を叩いて笑顔で俺にそう言ったヌナ。









TH「……いや、ヌナ。いつも通りの雰囲気だから。それ全然違うから。」





「え？これいつも通りでしょ？あんたこれでいつも喜んで近寄ってくんじゃん。」








ちょっと待ってよいつ俺がソレされて喜んだんだよ。
てかされた事ねーよそんなこと。







『ん？汗)Aちゃん何やってるの？』





「あ、すみません。私とテヒョンって、いつもこんな感じなんです。」




TH「いやちょっと待って！そういう嘘つくのやめよう！？」







慌てて、手を叩いていたヌナの手首をガシッと掴んでバッと元に戻す。




「なんだよー乗れよー。」



TH「いやここで乗ったら俺の印象が凄いことになるから。」








はぁ、とため息をついてヌナを見ると、何か考える素振りを見せた。




TH「……何。」



「いや、私にとってのテヒョンへのいつも通りは、今みたいにからかってお前の姿見て喜ぶっていう感じなんだよね。」






……確かに、言われてみればそんな気もするけど…。









「テヒョンにとっての、私へのいつも通りって何？」






TH「……え？」









ヌナへの普段の行いとか？考えることとか？



そう聞くと、うん。って答えられた。






(……俺っていつもヌナに対して何思ってるんだろう。)









朝は不細工だなって思うし。←

普段はうるさいし……。



でも仕事の時とか、メイクとかバッチリしてるヌナを見ると、やっぱりこの人美人なんだなと思う。


ダンスも歌も、そこら辺のヨジャアイドルとは全く違うし。





というか、宿舎でのヌナは正直ヤバい。


……なんというか、無防備すぎると言うか、エ ロいというか。









……あれ、結構俺変態じゃない？

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