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ﾋﾟｯ､ﾋﾟｯ､ﾋﾟｯ､ﾋﾟｯ､
殺風景な白い部屋に、電子音が鳴り響く。
特有の薬品の匂いも、いつの間にか感じなくなってしまった。
3月25日。
今日は誕生日。
そして、私の寿命が尽きる日。
(もう三年経ったんだ.....早い早い。)
点滴の打たれ方の手に、そっと手を当ててみる。
順調なリズムを脈が刻んでいる。
.....これ言っていいのかな。自分で言うのもなんだが、全く死ぬ気配がない。
多分寿命が尽きる時って、前兆が来ると思うんだよね。それがさ、不思議なくらい全くないんだよね。
「本当に死ぬのかな〜。それとも案外ポックリ逝っちゃう系かな〜。」
『何ブツブツ言ってんのよ。』
シャッとカーテンが開けられたと思ったら、看護師のユラさんがいた。
「ねぇねぇユラさん。私死ぬと思う？結構色々諦めてたんだけど、寿命伸びる気配ムンムンなんだよね。てか今日スカート短くない？」
『寿命尽きる日にあんたみたいなテンションでいるやつ初めてだわ。てか別に短くないわよ。』
『点滴変えるわよ。』と私の手を掴んだユラさんの手は、めちゃくちゃ白くてめちゃくちゃ細い。
『........何、じーっと見て。』
「んー、いや。ユラさんの手、私の好きな人の手に似てる。」
『好きな人？.....あー、ユンギ？さん？』
「おぉ笑よく覚えてたね笑」
驚きならが笑うと、何言ってんだこいつみたいな顔をされた。←
『よく言うわねあんた...。毎日毎日ユンギさんがユンギさんでユンギさんだからユンギさんなの♡みたいな話聞かされたらいやでも覚えるわよ。』
(そんなに話したっけな。好きなことになると止まらなくなるとは言われたことあるけど。)
「私ユンギさんと歳1個しか変わらないから、ワンチャンいけるんだよね。」
『歳の問題じゃなくない？』←
点滴を変え終えたユラさんが、ふと私の顔を見てくる。
「.....なになに？」
『いや、なんていうか。怖くないの？』
じっと見つめられ、答えに迷ってしまう。
(怖くないと言ったら嘘になるけど...。)
「....病気って分かって結構経つじゃん。ずっと3年間覚悟してたし、今更怖いも何も無いよ〜。」
ヘラヘラ笑って見せたけど、ユラさんは信じていないみたいだった。
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有彩色(プロフ) - MA SAKAさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました！！嬉しいお言葉も頂いて……、この作品を作ってよかったと感じました。コメント、本当にありがとうございます！ (2022年8月26日 13時) (
レス) id: 09caf7b163 (このIDを非表示/違反報告)
MA SAKA(プロフ) - 本当に本当に素敵なお話でした。止まらず一気に読んでしまいました。素敵な時間をありがとうございました！ (2022年8月3日 21時) (レス) @page43 id: 17b1d798c7 (このIDを非表示/違反報告)
有彩色(プロフ) - yume m_さん» ボロ泣きしてくださったんですか…嬉しいです！！こちらこそ素敵なコメントをして下さってありがとうございます！！ (2022年4月25日 23時) (レス) id: 09caf7b163 (このIDを非表示/違反報告)
yume m_(プロフ) - 夜中なんですが一気に読んでしまいました。そしてボロ泣きです（ ; ; ）涙と鼻水が止まりません笑 こんな素敵なお話に出会えてよかったです！ (2022年4月25日 1時) (レス) @page43 id: 5d5dd9302d (このIDを非表示/違反報告)
有彩色(プロフ) - miiさん» ありがとうございます！！そう言っていただけて本当に嬉しいです。最後まで読んでくださってありがとうございました！ (2021年9月10日 9時) (レス) id: 57c9d142db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有彩色
| 作成日時：2019年10月19日 23時
