桐山WEST (ページ18)

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橙side

あれから初めて淳太くんからメールが届いた。

『さよなら…ごめん』

たった一行…だけどその一行が俺を苦しめる。

「なんで…ごめんなんて言うん。」

どうせだったら最後まで冷たくしといて欲しかった。

俺が何をしてもいい顔せんで不服そうな顔してたくせに…
俺が困ってる時何もせんでほったらかしにしたくせに…
記念日にだって別の人と一緒で祝わんかったくせに…

どれだけ尽くしても当たり前な顔してたくせに、今更謝られたって許す事なんて出来へんやん。

「もう、好きやないのに…反省したようなことせんで」

好きじゃないのに、泣いてしまう。
付き合いたての時の事を思い出すと幸せで、でももう彼とは付き合いたくなんてなくて…ただひたすらに俺を苦しめるだけの存在や

紫「照史…なんでそんなに泣いてるん」

「淳太くん、謝ってきた。」

紫「そっか…許すん？」

「許したくない。でも、付き合う前の優しいメンバーに戻るかもしらんって期待してまうねん」

紫「照史…淳太の事まだ好き？」

きっと、今はもう好きじゃない。
今好きなんは崇裕だけや…それは確定してる。
でも、淳太くんが優しいメンバーやった彼に戻るんやったらまた好きになるかわからん。

だからこそ…もう、彼を好きにならない

「俺が好きなんは崇裕やで」

紫「じゃあ許してあげなあかんよ。でも好きなら許したらあかん…」

きっと崇裕はよりを戻したらまた淳太くんが冷たくなるって思ってる。それに、俺もそう思ってる。

「わかってる。でももう好きやないから…許してしまうわ」

もう泣かん。淳太くんはただのメンバーや。
もう2度と…好きにはならん