桐山WEST (ページ16)

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紫side

照史の事が好きだった。
だから淳太と照史が付き合った時も照史の幸せならって受け入れられた。

だけど淳太は照史に冷たくなって、照史は時々愚痴と一緒に涙をこぼして、それをただ側で見ることしか出来なかった。

「淳太くんと、別れた。」

電話越しから聞こえる声は震えてて、泣いてるんやなって思った。家に招くと照史は普段通りになったけど、泊まって行くように言うとまた泣いてしまった。

「ごめん、なんか悪いこと言ったか？」

橙「ちゃう、濵ちゃんが優しくて…」

こんなことで泣いてしまうほど苦しんでたんやって思うとこっちまで苦しくなって、抱きしめるしかなかった。

それからしばらく一緒に過ごして行く内に照史はもう淳太とは付き合ってないんやって考えてしまう。このまま気持ちをしまうより伝えた方がええのかもしれへん。俺は照史に気持ちを伝えた。

「あんな俺ずっと前から照史の事好きやってん。今までは淳太がおったから言えんかったけど、俺と付き合ってください」

橙「うん、俺も今は濵ちゃんの事が好き」

断られる覚悟をしてたけど、返ってきた返事は予想外にもYESで…照史に俺と付き合った事を後悔させないようにしようと決めた。

全員での仕事の日、もちろん淳太もおって俺と照史をずっと見てきた。皮肉にも今日は兄組と弟組で分かれての撮影で照史を真ん中に密着するような位置で3人とも気まずい空気だった。

赤「どうしたん今日、なんか変やで」

「ん？ちょっと疲れてるんかもな～照史も疲れてたら言ってな」

橙「うん、ありがと」

黄「ごめん、俺ちょっと休憩してるわ」

そう言ってセットの端で水を飲みながらまたこっちを見てくる淳太…

今日だけで淳太の方が吹っ切れてないんやってわかった。今まで散々照史に冷たかったのに別れたら執着する淳太を少し軽蔑した。