誕生日5《38》 ページ38
予定時間より少し早く葉子さんの店に着き店の扉を開けると葉子さんが「お帰り京都楽しかった？」って言って迎えてくれた。
カウンターにはもう祐樹君と碧さんが座って僕達の来るのを待っていた。
梨華さんが「おかあさん知ってたの？」と聞くと「二週間前からね」と答え水槽の方を向く。
梨華さんが驚いた「うそー………楊貴妃！！！」
榎本さんが水族館に行った時に梨華がづっと見ていたメダカをここに置きたいって言って相談されたから置くことにしたの、このメダカ探すの苦労したんだって、「梨華よかったね、素敵な誕生日をプレゼントしてもらって」
梨華さんの目から涙がこぼれ落ちる「榎本さん、あり………」声にならない。
僕は鞄の中から舞妓さんに変身した写真を葉子さん、祐樹と碧さんに見せる。
梨華さんが選んだのは後で郵送されるそうです」と言って……。
葉子も目がうるうるしてる、そして店に届けてもらった花束を葉子さんから受け取り梨華さんに渡す「二十三歳の誕生日おめでとう」の言葉と共に……。
梨華さんはもう顔がぐちゃぐちゃになって泣いていた。
葉子さんが「この花、ペンステモンって言う花なんだって、6月6日の誕生花、梨華の花だよ」と付け加えた。
泣きじゃくる梨華さんに僕はポケットからハンカチを出し梨華さんに渡した。
梨華さんはハンカチで目を押さえてるそして鞄からプレゼントを出して、もう一度「お誕生日おめでとう」と言って手渡した。
葉子さん、祐樹、碧さんが「開けて」と言って梨華さんは包みを開ける。
中のペンダント手に持って「榎本さん、本当にありがとう」と言ってハンカチで目を押さえた。
僕がこのペンダントの石はアメトリンと言って6月6日の誕生石だよ、梨華さんの石、あまり高価な物で買えなくてごめんね、もう少し給料上がったらもっといいものプレゼントするからね。
梨華さんは頭を左右に振る。
後ね、もうひとつプレゼントがあるんだ、大きな包みを裏から持ってきて梨華さんに渡し梨華さんが包みを開ける。
これね、イオタアウリーカエって言う星座、梨華さんの誕生星。
「梨華よかったね、素敵な彼氏ができて」
「うん」と返事をしたと同時に梨華さんは僕の胸で顔を埋めた。
僕も梨華さんの涙を見てもらい泣きしちゃいました．
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作者名：りたのすけ | 作成日時：2019年8月3日 19時
