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誕生日2《35》 ページ35

梨華さんの誕生日前日に買った水槽を葉子さんの店に持っていき店のカウンター横のスペースに水槽をセッティングし水を巡回させカルキ抜きをし、その中に楊貴妃を入れる。
優雅に泳ぐメダカ達、あまりの可愛さに葉子さんは水槽から目を離さず僕に言った。

「榎本君ありがとうね、梨華のことこんなにも思ってくれて」

「いえ、僕の方こそみんなに感謝です」

「明日が楽しみだね」

「はい、とっても大切な日になりそうです」
葉子さんは僕が帰るまで水槽の楊貴妃ひれ長スワローメダカを見ていた。

6月6日誕生日当日朝早く待ち合わせ場所で彼女と合う。手を繋ぎ地下鉄に乗り地下街を横切り新幹線ホームに行く。
「どこに行くのですか?」

「今日だけは僕についてきてください」

「はい?」

「駆け落ちするのではないですから安心してください」

お揃いの服を着た僕達にたくさんの目線が集まった、痛いぐらいそれがわかる。
キップを2枚購入して列車に乗りここではじめて京都に行く事を知らせる。

「どーして京都なんですか?」

「どーしても京都なんです」

「…………。」

「誕生日だから京都なんです」
そして列車の中のワゴン販売でサンドイッチとオレンジジュースを買い軽く朝食を済ませた。新幹線を降りて在来線で嵐山まで行きそこから少し歩いたところに目的地がある。
「ここですよ」

彼女はキョトンとしている。

「23歳の記念に今日梨華さんは舞妓さんに変身するんです」

「嫌ですか?」

「嫌じゃないです、私が舞妓さんに…ですか?」

「はい、梨華さんならとっても似合うと思います」

「ありがとうございます」

「行きましょう」

「はい」

二人は店の中に入り予約していたことを伝えた。予約を入れていたのでスムーズに進む。梨華さんに、素っぴんは見られたくないと思いますから僕は外で待ちますと言って待合室に向かった。
メイクを落として化粧台に上がり再びメイクするそして顔だけ舞妓さんになり次は着物選びだ。
店の方が僕を呼びに来て一緒に選ぶことにした。
二人が選んだのは紫色の艶やかな着物。
そして着付けが終わりスタジオに行く。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:りたのすけ | 作成日時:2019年8月3日 19時

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