天使の声31《31》 ページ31
休み明けの月曜日、これは心理的な理由かもしれないけど週末楽しく過ごした後次の日から会社に行かなければならないと考えただけでも気分が下がっても仕方ないこと、でも、今は違う。
毎日が楽しさで満ち溢れてるるからかもしれないが彼女と会えばそれだけでいい、話せばさらに楽しい、けれど「じゃあ」とあっさり別れひとりアパートに戻ってきた時の淋しさはどうすればいいのだろう…….。
紳士的で仕事もできるしなにひとつ問題もない人だった、ただひとつを除けば。
今日も帰り際、川村主任から食事のお誘いを受けたが私は「今日は無理です、すみません」とお断りした。
会社を出て向かった先は彼はいるホテル。
私はいつもと同じようにホテルで食事をし彼と一緒に部屋に入る!先の見えない恋に振り回されているとわかっていても彼に抱かれる。
自分自身彼との恋にピリオドを打ったつもりでも。
別れた後、彼はホテルに泊まることは無くなった。
必ずその日のうちに奥さんの元に帰っていく。
今、自分の頭の中がどういう状態なのか…何かを考えてるようでスカスカしてる感じだった。そろそろ潮時かも………。
そして、別れた後も何度も何度もお誘いしてくる川村主任に私の心の隠しボタンのスイッチが入り「主任、私、お付き合いしたい人がいます、すみません」と伝えた。
「そっか」と言って主任はディスクに戻る。
それを見ていた碧が「言っちゃったね」と親指立ててハンドサインを送ってくれた。
私は「言っちゃいました」とニコッと笑みで返す。お昼休みに碧に彼とのお付き合いの話をする。
おかあさんの店の常連さんだった事、水族館デートの事をいろいろ話すと聞いてた碧が、いい人に出会ったね、だから最近付き合いが悪くなったんだって言い、こんどさぁ私も入れて食事に行かない?私も会ってみたい、梨華が好きになる人興味あるもん。
「わかった、榎本さんに聞いとくね」
「雑誌で見つけたお洒落な店行ってみたいんだ、ひとりで行けないからさぁ梨華付き合ってよね」
「碧はいつでもいいの?榎本さんの都合聞いてからでいい?」
「いいよ、榎本さんの友達の祐樹さんだったっけ、独身でしょ一緒に誘って4人で食事ってどう?」
「わかった、それも一緒に聞いてみる」
外はもう春の余韻が徐々に消えはじめていた。
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作者名:りたのすけ | 作成日時:2019年8月3日 19時