あなたの夢はなんですか (ページ21)

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天使の声21《21》ページ21

会社あるビルのエレベーターに乗り12階までの昇り入ったオフィスのブラインドを開けると街が見渡せるー夜は夜景の綺麗な街ー

まぶしそうな目を細めて窓から街を見渡す。
そして、全国からの営業所から届くFAXをまとめて注文数と在庫を確認してパソコンに数字を入力する。
在庫が無いときは隣の席の碧に製造の方に発注してもらう。
納品迄に時間がかかる時は営業担当に連絡を入れ納期が遅れることを伝える。
切れ長の綺麗な目でおまけにまつげも長い彼女と私は同期入社で仲がいい。
カチャカチャとキーボードを叩く音、その他いろいろな音を聞くと今日一日を元気にしてくれる。
この会社に入社して5年目の私。

お昼休みにいつものように碧を誘ってランチを食べに近くのカフェに行き二人とも今日のランチを注文し注文品がくるまでの間、自分から碧に土曜日の話をし始めた。

碧は興味津々で更に出会った時のことも聞いてくる。
私が碧に恋愛の話をすることが初めてだったからかもしれないが、
「梨華、今度デートいつ？どんな人？歳は？」と質問攻めにあう。

なにも決めてないから「何も」と答えると「梨華から誘いなよ,奥手の人は次までが長いから」と言って碧は笑う。

ランチがテーブルに運ばた、今日のパスタはエビが入ったトマトクリームパスタ。
サラダにハーブソルトをかけさらに彼の話をしながら食べる。
碧の言うようにあんなに一生懸命私に声をかけてくれたのだから今度はこっちから……そして榎本さんなら川村主任との出来事は全部夢だったんじゃないかとさせてくれるような気がする。

親は親でしかなく、友達は友達でしかない。かといって、自分を好きになれなかった私が生まれて初めて愛した人が川村主任だった。
私にも好きと愛の違いがその時わかった気がして他人を愛することができるのだと。そして、二人の出会いが奇跡だと思っていたのは私だけで彼からしてみればただの平凡な恋愛がひとつ始まっただけでしかない、特別と思ったのは自分だけだったかもしれない。