あなたの夢はなんですか (ページ3)

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天使の声3《3》ページ3

倉庫の整理をし、お昼に出勤前にコンビニで買ったおにぎりを食べながらパートの渡辺さんとどーでもいいことを話す。
大抵話題は渡辺さんの娘さんの話しが多い。
渡辺さんが「忘れてた、榎本さんに返さないと」と言ってバックから本を出した。

いつも娘の茉莉ちゃんに僕が読んでよかった作品を貸しているのだ。
その仲介役が渡辺さんで、返ってきた本の中に必ず茉莉ちゃんが一言二言感想を書いてくれていて僕はある意味その感想をいつも楽しみにしてきた。

視点が同じようだと何かしら嬉しい。
茉莉ちゃん本人には会ったことないけど、渡辺さんに写真は見せてもらってだが、いくらお互いに本が好きでも恋愛対象にはならないと感じていた、一回り以上の年齢差があったからだ。

休みの日は予定がない、いつも淡々と一日を過ごしてると渡辺さんから聞いていたが、まさか今回貸した本の中に本の感想が書いてあり、別にメッセージが入っていた。「この本の映画見に行きませんか？」と書いてあった。

僕は別に何も予定がないので渡辺さんに「オーケーですよ」と茉莉さんに伝えてくださいとお願いした。

お昼休憩が終わり、そして午後からまた倉庫の整理をする。
仕事をしながら次はどの本を貸そうかと思い浮かべる毎日だけどそれが嫌だと思ったことはない。
でも、今日はいつもと違う。

今朝、電車で会った彼女の事ばかり考えてる、そう、あれからづっと……