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天使の声14《14》 ページ14

翌日、僕は仕事どころではなくお昼休みに祐樹に「天使と初デート、店知らない、きれい目の服持ってない」とラインする。
10分もしない間に祐樹からラインの返事返ってきて「俺に任せろ、今夜7時に葉子さんの店集合!」と。


仕事が終わり帰りに本屋さんに立ち寄りこの近くの飲食店マップの雑誌を手に取り順にページを捲って見てみる。お洒落な店は結構な金額だ。ページを捲りながらいろんな店をみていて不意に彼女はどんな物が好きなんだろ?と思った。
苦手な物はなんだろう……何もわからない、当日会ってから好みを聞いて行く場所を決めるのが一番早いが僕はほとんどお店を知らない。

メンズファッションの雑誌も少し見たがどれを見ても僕には似合いそうにもない服ばかりだ……どーしよう……。
とりあえず雑誌をもとに戻し駅に向かった。
電車の中でスマホを取り出しグーグル先生に大手町駅周辺の飲食店を調べてもらったが、どの店も似たり寄ったりでどの店で食事すればいいのかわからないまま降りる駅に着いた。

改札を出ると後ろから肩を叩かれた、ビックとしながら後ろを振り向くと「榎本、同じ電車だったな」祐樹だった。
「だね」と返事し二人して葉子さんの店に向かった。
いつものようにビールと一品料理を注文すると祐樹が「これっ」って言って鞄から数十枚のコピー用紙を出し僕に手渡ししてくれた。
見てみるとお洒落なレストランとか僕に似合う服などをプリントアウトしてきてくれてる。

順に見てると「彼女の名前聞いたか?連絡先交換したか?」と話しかけてきた。

その言葉に僕は体がフリーズしてしまい「何も聞いてない……何も」と答えた。

葉子さんがじゃがいものそぼろ煮が入った小鉢を僕の前に置いてくれた。「とりあえず行ってみなさいよ、お店も服も榎本君のありのままで、背伸びしてスタートしたら後が続かないよ」葉子さんの言葉は止まらない、ファミレスだっていいんじゃない、ジーパンにシャツでも、背伸びして少し無理するのは彼女の誕生日ぐらいでいいと思うよ。

僕は葉子さんの言葉で少し気が楽になった。

プリントアウトしてくれた祐樹君のコピー用紙を鞄に入れて祐樹と葉子さんにお礼を言った。
勘定を済ませ僕達は外に出た「いつもありがとう」という言葉に送られて……

夜の風が頬にあたる。

風に湿った雨の臭いが混じってる。

ポツリと一粒の水滴が頭に当たった…あした天気になあぁーれ。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:りたのすけ | 作成日時:2019年8月3日 19時

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