263話 ページ45
斑鬼turn
「ああ、今日はもう時間切れだ。
また今度会おうね、A」
死柄木はそう言って私から手を離す。
その理由は人混みの中一際目立つ音を鳴らすパトカーのサイレンだ。恐らく、私の前に死柄木と接触した緑谷くんが通報したのだろう。
私はそれを理解し、動くことをしない。
それはなぜかと問われれば、ここは人が多い場所、騒ぎを起こしてしまえば全員を守れる保証はない。
それに加え、相手の個性が酷く厄介。
その死柄木、個性は崩壊……触れたものを壊してしまう個性。捕まえようと私が動いてみよう、死柄木は捕まる前に悪あがきとして人を殺すに違いない。
だから私は死柄木を追いかけることが出来ず、ただ黒い背後を睨みつけるだけだった。
「……A？」
そんな黒い影が人混みに紛れて消えた時、心を落ち着かせてくれる低い声が私の名を呼ぶ。
私の後ろには、心操がいる。
……戻ろう。
その後、ショッピングモールは通報で駆け付けて来た警察により一時閉鎖。区内のヒーローと警察が緊急捜査にあたるも、死柄木弔は結局見つからなかったらしい。
一方、私たちのようにショッピングを楽しんでいた一般市民は警察の知らせによってモール外へと連れ出され、結局買い物は途中で終わってしまった。
「一応はここら辺りに敵がいないと判断した。だが、まだ油断はできない。君たち雄英生は一度敵に襲われている為、特に気をつけて帰宅してね」
「……はい」
まだ明るい日差しの中、心操と目の前に立つ警官へお辞儀をして私は駅へと足を進める。
本当は私も遭遇したと伝えた方がいいんだろうけど、心操に心配はかけたくない。
だから黙っておくことに決めた。
幸い、誰が接触したかは知られていない。
「今日は不運だったな……また今度、足りない物買いに行こう」
「……うん。そうだね」
心操と新しい約束を交わし、気晴らしとして様々な話をお互いに出し合う。お互いのイベント行事、最近の出来事……数えれば様々。
そうやって、お互い恐怖を紛らわしてた。だけど、すぐ近くに脅威がいたという恐怖を今一番経験しているのは心操だ。
当の本人、手は未だ震えている。
私はUSJの時やヒーロー殺しで少し耐性がついたが、まだそれを経験していない心操は違う。鉢合わせて殺されでもしたらと嫌な想像が絶えないんだ。
私は、必死に会話を続ける心操の手を握る。
「心操、強がらなくていいよ」
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夢桜(プロフ) - うららさん» そっそそそ尊敬だなんてそんな嬉しすぎますっ！！応援ありがとうございます精一杯頑張らせていただきます！！ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - やばいです!!!悲しくてでも見たくなるそんな話ですね。ほんとに尊敬します！これからも応援しております！頑張ってください!!! (2020年9月23日 17時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 猫好好さん» わぁぁありがとうございます好きになってもらってとても嬉しいです！！いやぁ大変おまたせしました、これからもこの作品をどうかよろしくお願いします！！応援とても嬉しいです……！ (2020年9月2日 18時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
猫好好(プロフ) - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟ ﾁヒロアカ小説の中でもかなり好きな作品なので待ってました！これからも更新頑張ってください！！！応援してます！ (2020年9月2日 18時) (レス) id: 184bdcfa18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢桜 | 作成日時：2020年9月2日 17時
