238話 ページ20
？？turn
「これはおまえが悪いんだからな」
かえしてよ。
「あの人には注意しておくよ。
君の両親は……すまなかった……」
ゆるさない。
「──これで、完璧だ」
おまえだけは。
noturn
「…………斑鬼」
「かえして、お願いだから……かえ、してよぉ。
会いたい……あいたい……！ずっと、一緒にいて、ほしかった、っのに……！！」
あれから戦意も無くし意気消沈した斑鬼は、両手で顔を覆い幼子のようにひっくひっくと肩を揺らす。
思い出したくなかった記憶が蘇り、それ故固めていた心がぐちゃぐちゃになり、寂しさがこみ上げ混じった感情が涙を止めない。
これは、消えた命が灯らなくとも、ずっとずっと望み続けているたった一つの願い。
相澤はその眼の先にいる小さな少女に、少しずつ歩み寄った。
「……A」
「うっ……うぅ……」
その名を呼ぶ彼は、演じていた敵ではなく斑鬼の担任である”相澤消太”の姿。あのとき救えなかった子どもの前に佇む、ただの"ヒーロー"。
「……突然、こんなことを言い出して悪かったな」
「……っ、うぅ」
斑鬼は顔を覆いながらも、嗚咽を漏らしながらも頭をゆっくり横に降る。"これは試験、仕方がない"と、落ち着いた思考で言い聞かせているように。
「おまえの過去は俺も知ってる。
俺は、あの場にいた」
相澤の言葉に、斑鬼は止まらない涙を放ったらかしにして顔を上げる。関与していたとは言えど、その場にいたとは思わず素っ頓狂な声を出した。
あの場に、斑鬼の家にいた。それは、周りより事件の詳細を知っているということ。
「"あの事件"は、許したらいけない」
「…………知ってるなら……"アイツ"は、私にとって仇そのもの。恨むべきものだからっ……絶対にアイツは……私が」
「許す必要はない。
おまえの親が悪かったところなんて、一つもないだろ」
「……うん」
感情が再度高ぶり始めた斑鬼がその先を言おうとした瞬間、相澤は言葉を挟む。
その先の言葉は、ヒーローを目指すにして相応しくないから、言ってはいけない言葉だから。
彼は言わせることをしなかった。
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夢桜(プロフ) - うららさん» そっそそそ尊敬だなんてそんな嬉しすぎますっ！！応援ありがとうございます精一杯頑張らせていただきます！！ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - やばいです!!!悲しくてでも見たくなるそんな話ですね。ほんとに尊敬します！これからも応援しております！頑張ってください!!! (2020年9月23日 17時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 猫好好さん» わぁぁありがとうございます好きになってもらってとても嬉しいです！！いやぁ大変おまたせしました、これからもこの作品をどうかよろしくお願いします！！応援とても嬉しいです……！ (2020年9月2日 18時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
猫好好(プロフ) - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟ ﾁヒロアカ小説の中でもかなり好きな作品なので待ってました！これからも更新頑張ってください！！！応援してます！ (2020年9月2日 18時) (レス) id: 184bdcfa18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢桜 | 作成日時：2020年9月2日 17時
