231話 ページ13
noturn
「……それ聞いて、なにになるんですか？」
「別に何しようって訳じゃない。あんま溜め込みすぎるとおまえが辛いだけだからな」
個性を発動させたかのように、相澤は黒い瞳を鋭くさせて斑鬼を見る。
「辛いって……」
"あの姿"と重ね合わせるように。
「10年前に起きた、"鬼狂いの悲劇"。
おまえも知ってるだろ？」
「い、今それを話す必要なんてな」
「あるから話してんだ。
今は俺の質問に答えろ、斑鬼」
「…………」
"鬼狂いの悲劇"。その話題が出た途端、斑鬼はその話を聞きたくないと言わんばかりにその必要性を相澤に問いかけるが、相手は聞く耳持たず。
相澤は斑鬼の瞳に何かを憎むような感情が混じっていることを悟った。それ故に口を挟んだ。
(……またか)
そして、斑鬼は相澤が続きを言い出す直前、何かを諦めたように目を伏せた。
(また、怒られる)
いや、個性の話を話した時点で、既に諦めていたのだろう。
相澤と対面する前に握っていた拳は、今となればだらりと筋肉が無くなったかと思うほど動かない。
こんな柔い拳で今すぐに何が出来るだろうか。何も出来ないからこそ、心で嘆くことしか今の斑鬼には出来ない。
同じことの繰り返しだと、この人も理解しないんだと。
斑鬼は心で嗤った。
それでも内心嗤う価値もないものだとネガティブ思考に走っている斑鬼。その心境は即座に変わることを知らずに、問いの終わりを聞くため斑鬼は顔をゆっくり上げようとした。
「ヒーローが隠した、正義が隠した隠蔽事件。知ってるだろ」
「……えっ」
そう、ゆっくりと上げようとした。
ただ、予想だにしなかった相澤の言葉は斑鬼の精神を即座に歪ませ顔を上げさせた。
斑鬼は驚愕の表情で相澤を見る。
相澤の言った"知ってるだろう"。
それに疑問符はない。
斑鬼の頭には"なんで、なんで、なぜ、なぜ……なんで……"という動揺が全てを埋めた。
「ど、して……」
その表情には、焦りと恐怖、その二つがあると相澤は瞬時に気づいた。
言ってしまえば、"それ"は斑鬼の心に余裕を無くすに十分すぎる言葉。
「なんで相澤先生が」
斑鬼は動揺からなのか歯切れの悪い言葉で相澤へと問いかけをするが、これは問いと言っていのか分からない。
だが、相澤はそれを質問だと判断し答えなかった。ただじっと、斑鬼を見るだけ。
「"あれ"の裏を、知ってるの……？」
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夢桜(プロフ) - うららさん» そっそそそ尊敬だなんてそんな嬉しすぎますっ！！応援ありがとうございます精一杯頑張らせていただきます！！ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - やばいです!!!悲しくてでも見たくなるそんな話ですね。ほんとに尊敬します！これからも応援しております！頑張ってください!!! (2020年9月23日 17時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 猫好好さん» わぁぁありがとうございます好きになってもらってとても嬉しいです！！いやぁ大変おまたせしました、これからもこの作品をどうかよろしくお願いします！！応援とても嬉しいです……！ (2020年9月2日 18時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
猫好好(プロフ) - 続編おめでとうございます！(*’ω’ﾉﾉﾞ☆ﾊﾟﾁﾊﾟ ﾁヒロアカ小説の中でもかなり好きな作品なので待ってました！これからも更新頑張ってください！！！応援してます！ (2020年9月2日 18時) (レス) id: 184bdcfa18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢桜 | 作成日時：2020年9月2日 17時
