猫以前に人である ページ9
斑鬼turn
「｢｢この猫が斑鬼ィィィィィ！？｣｣」
「うるさ、ヒーロー科ならもっと冷静でいろよ……」
早速寮へと連れて行ってくれた心操は、皆の驚き具合に顔をしかめる。
ごめんよ、皆こんな感じなのさ。
「斑鬼かっわいい〜！」
「とてもふわふわですわ……！」
「Aちゃん触ってもええかな！？」
「みっ……みゃっ」
「毛玉だー！」
女子たちにもみくちゃにされて少し苦しい。
手が色んなことからやってくるから何処を撫でられるかが分からなくて身構えてしまう。
「君たち落ち着くんだ！！心操くん、斑鬼くんが元に戻る方法などは分かるかい！？」
「なんかの条件を達成すれば元に戻るらしい」
文面は真面目、でもリアルだとガタガタ全身震えながら問う飯田くんに心操は冷静に答える。
初対面の人は大抵驚くのにな、さすが心操。
「条件……？心操くん、それが何かは分かる？」
「いや、分かんねえ……だからAのクラスの奴らに手伝ってもらおうとして来たわけ。ヒーロー科ならこういうこと得意だろ？緑谷出久」
「フルネーム……緑谷だけでいいよ？」
「馴れ合うつもりは無いよ」
「あはは……」
相変わらず私を省くヒーロー科の皆とまだ仲良くする気は無いらしいが。
「うーん、元に戻る条件……」
「Aちゃんのやりたい事とか？」
「やりたいこと……A、なんかあるか？」
やりたい事……やりたい事は特に無しなので私は横に首を振る。
「みっ」
「やりたい事はなし、か」
あ、そういえば個性がかかった時に何かあの人言ってたな。
『本当にごめんね！解除条件は2時間経ってることと……あとはいくつかって言っても軽いものよ！誰かに触るとか……多分今回だと……君が誰かに5分くらい撫でてもらえればOKなハズ！私こう見えてこの個性事故20回目なの！』
『みっ……！？』
思い出した。解除出来る大事な事思い出した。
だけど、今の私にそれを伝える術は無い。
どうしよう。
とにかく、ここは彼に頼むべきかな。
「みぃ」
「？あっオイ、A……！」
私はぴょんっと心操の腕から抜けて、すぐそばのソファーに座っている彼の元へと向かった。
「ん……？」
そして、ソファーに頑張ってよじ登り、彼の膝へ座る。暖かくて眠くなりそうだ。
そして、偶然にも彼の手が近くにあったので、その手を私の頭へ持っていく。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢桜(プロフ) - 爆豪勝己推しの170号さん» ありがとうございます！爆豪くんは子供には優しいという勝手な解釈ですが良かったです！ (2020年3月4日 10時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪勝己推しの170号 - すごく面白かったです！！可愛い夢主ちゃんと、子供に甘いかっちゃん、からのドSっぽいかっちゃんがもうドストライクでした！！ (2020年3月4日 10時) (レス) id: f0a3f7da78 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 爆豪勝己推しの170号さん» ありがとうございます！幼児化了解致しました！！ (2020年2月19日 9時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪勝己推しの170号 - いつも楽しく読ませてもらってます！ 幼児化お願い出来ますか？ (2020年2月18日 22時) (レス) id: f0a3f7da78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢桜 | 作成日時：2020年2月18日 6時
