273話 ページ10
斑鬼turn
草木を走る風で掻き分けながら高い場所を探すこと数分経つが、案外グラウンド自体が広く平たい所に行きたくても中々見つからず辿り着けない時間がひたすら続く。
「グラウンドかと疑いたくなるよ……」
ずっと目に映るものは木、草、葉。
自然の色が一際抜けない。
だが、そう油断するのはあまりよろしくないようだ。
ひやりと地面から冷気が漂い、またたく間に先の地面から氷が私目掛けて地を伝う。
「……氷ってことは」
その個性を持つものは私のクラスで一人だけ。
遠距離にも適応できる個性を持った彼が援護なら、最初アタッカーとしてこちらに向かうのは近距離でパワー型の彼だけだろう。
そう悟った私は、即座に足音のする後ろへと振り向き攻撃を左へ避けて躱す。
「やっぱりそう簡単に行かないか……！」
それを確信付ける声も聞こえ、案の定Cチームの中で打撃戦の対決へと持ち込めるのは尾白くんだけであることが当たった。
その尾白くんは攻撃を躱されたにもかかわらず、休む間も与えないよう尻尾を活かしてこちらへ攻撃を続ける。
だが、私は左右から迫る大きな尻尾を腕一つで一度一度といなし続け、そんな攻防戦を装い周囲の現状を確かめていた。
……あと出てきていないのは口田くんと葉隠ちゃん。口田くんがまだ何も仕掛けていないということは、尾白くんに視点を集中させてから個性で何かをするはず。
状況的に私へ確保テープを巻きに来るのは大概潜入に長けている人、それは紛れもなく葉隠ちゃんで確定だ。
予想されるのは、それを行うの為には時間を稼ぎ相手の周りに対する集中力を削いでから。その後、更に予想外の自体を作り思考を一度鈍らせてからの確保だろう。
その方が、脳は数多くの出来事に混乱し動くことに抵抗する。
「……虫……？」
その予想は、言わずもがな当たった。
「今だ！！」
虫や蝶が私と尾白くんの周りに集まり巡る。それは視界を遮るほどの量ではなくとも、歩くには中々抵抗がある程に。
その直後、背後から激しい足音が一つ。
「テープを片手に持っておいて正解だったよ」
叫んだ尾白くんの向ける目線へとテープを伸ばせば、ぐるりと何もない場所にテープが円を描く。
その真上にはピンと伸ばされた真っ白なテープ。
腰にテープが巻き付き葉隠ちゃんが確保されたことにより、これで状況は大きく代わっただろう。
次はこっちの番だ。
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夢桜(プロフ) - 獅音さん» コメントありがとうございます！申し訳ありません、大っ変嬉しい言葉なのですが現在は文面等を修正中の為非公開とさせていただいています！今週中には直し公開へと戻す為、それまで気長にお待ちしていただけると嬉しいです！ (2021年5月31日 7時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
獅音 - パート6のパスワードが知りたいです (2021年5月31日 5時) (レス) id: 7f54062a6d (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 紫蝶月さん» コメントありがとうございます！！それは完全に私のミス……！ご指摘ありがとうございます！！すぐに修正いたします！！ (2020年10月31日 20時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶月(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。誤字があったので確認お願いします。BチームとなっていたのですがCチームだと思います。確認お願いします。 (2020年10月31日 19時) (レス) id: 19734b52bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢桜 | 作成日時：2020年10月27日 17時
