310話 ページ47
斑鬼turn
「きゅう……」
「緑谷くん！
おのれ
緑谷くんが崩れ落ちたと同時に飯田くんが彼を支え洸汰くんへと向く頃、殴った張本人であるその子はさっさと二人から離れ距離を取っていた。
「ヒーローになりたいなんて連中と、つるむ気はねえよ」
「つるむ！！？いくつだ君は！！」
たしかに、歳に対して言動があまりにも背伸びしている。マセガキと言われそうな態度だ。
第一印象は最悪。
だが、他の皆が洸汰くんの態度に驚いている中、私は彼を見て既視感を覚えた。
あの目に、言動に、見覚えがある。
「マセガキ」
「おまえに似てねえか？」
「あぁ！？似てねえよ！！
つーかてめェ喋ってんじゃねえぞ舐めプ野郎！！」
「……悪い」
「茶番はいい、バスから荷物降ろせ」
思い出すよう必死に頭を回すが、相澤先生の声が回転させる思考を邪魔し記憶が飛んだ。
だが本人は気にする様子もなく、ヘロヘロになった皆を見回し残った今日の目次をスラスラと述べる。
「バスから荷物運んだら食堂にて夕食、その後入浴で就寝だ。本格的なスタートは明日からだ。さァ、早くしろ」
相澤先生が私たちを待つわけもないのは分かっているが、予想通りそれ以降は言葉を発さずにさっさと施設の中へと入り消えていった。
謎の緊張や先程までの疲れがドッと来た者も多く、座り込んでいた者たちはゆっくりと起き上がり、立っていた者たちは千鳥足でバスへと向かい自分たちの荷物を持ち運ぶ。
「うららかぁ、この荷物浮かしてくれよぉ〜……」
「駄目よ、上鳴ちゃん。
お茶子ちゃんだってキャパオーバーが近いもの……無理はさせちゃいけないわ」
「だよなぁ……」
あの上鳴くんでさえ軽い冗談でも本気に聞こえるほどの声量まで声が落ちていた。
蛙吹ちゃんはまともに受け答えできるように見えるものの、目が動いておらず表情が固まっている。
要するに、全員覇気がない。
「……荷物、こんなに重かったっけ」
早朝より何倍と重くなったリュックを背負い、旅行などで使いそうな大きいトートバッグを片手に持ち施設の中へと向かった。
結局、A組一同は夕食が始まるまで意気消沈状態。それぞれの部屋に行っても、状態は変わらずのままだった。
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夢桜(プロフ) - 獅音さん» コメントありがとうございます！申し訳ありません、大っ変嬉しい言葉なのですが現在は文面等を修正中の為非公開とさせていただいています！今週中には直し公開へと戻す為、それまで気長にお待ちしていただけると嬉しいです！ (2021年5月31日 7時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
獅音 - パート6のパスワードが知りたいです (2021年5月31日 5時) (レス) id: 7f54062a6d (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 紫蝶月さん» コメントありがとうございます！！それは完全に私のミス……！ご指摘ありがとうございます！！すぐに修正いたします！！ (2020年10月31日 20時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶月(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。誤字があったので確認お願いします。BチームとなっていたのですがCチームだと思います。確認お願いします。 (2020年10月31日 19時) (レス) id: 19734b52bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢桜 | 作成日時：2020年10月27日 17時
