280話 ページ17
斑鬼turn
「羽生子ちゃん……」
それから、彼女が蛙吹ちゃんを襲うことはなかった。
大切な友だちだから襲わないんだろうか、その様子に安心した緑谷くんと麗日ちゃんはホッと息を吐く。
「ゾンビになっても私のことを……ありがとう羽生子ちゃん」
蛙吹ちゃんが自分の両手を繋いでも、襲う気配は全く見えない。
友情には境界線がないんだろう。
ゾンビになっても、彼女がゾンビでも、友情は千切れず絡み続ける。
だが……──
「私たち……ずっとお友だっ」
その時、がぶりと蛙吹ちゃんの肩に青山くんが噛みついた。
「｢あああぁぁーー！！？｣」
「青山くん……」
空気を……空気を読んでくれ、青山くん……。
「｢アアァァアァァァ｣」
「ゾンビになっても仲良しだ……」
「そんなこと言ってる場合じゃないって……！」
仲良く手を繋ぎ声にならない声を上げゆらゆらと揺れる二人を見て、麗日ちゃんは震え声ながら呟く。
これでもう、残っているのは五人しかいない。
「ハァーッハッハッハッハァ！！」
人も減り、ゾンビも迫る。
「っ！この声は！！！」
この危機的状況の中逃げる他方法が無いのかと悔しんでいる時、太陽の方角から力強い笑い声が辺りを包んだ。
「もう大丈夫！！！
なぜってェ！？！？」
その直後、目の前から大きなものがダイナミックに着地し盛大な砂煙と共に風圧をお見舞する。
皆堪えその場に立ち、目の前に誰が登場したのか目視した。
「私が来たゴファッ」
だが、登場したのは皆の知っている筋肉マッチョのオールマイトではなく、私や緑谷くんしか知らない痩せ細った方のオールマイト。
「｢｢………………｣｣」
吐血しながらやってきたオールマイトを見て、場はシンと静まる。
秘密を知らない三人は唖然とし、秘密を知っている緑谷くんは両手で頭を抱え、私は目元を片手で覆い下を向いた。
……終わったな、コレ。
「｢ぎゃぁぁぁぁ！！！
知らない人がゾンビになってるぅぅぅぅ！！！？｣」
「へ？うわぁ！？」
そう、思われたのだが……このような混乱状態の中目の前に痩せ細った人が現れた為か、麗日ちゃんと芦戸ちゃんはオールマイトをゾンビだと勘違いし緑谷くんの手を掴み逃げ出していった。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢桜(プロフ) - 獅音さん» コメントありがとうございます！申し訳ありません、大っ変嬉しい言葉なのですが現在は文面等を修正中の為非公開とさせていただいています！今週中には直し公開へと戻す為、それまで気長にお待ちしていただけると嬉しいです！ (2021年5月31日 7時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
獅音 - パート6のパスワードが知りたいです (2021年5月31日 5時) (レス) id: 7f54062a6d (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - 紫蝶月さん» コメントありがとうございます！！それは完全に私のミス……！ご指摘ありがとうございます！！すぐに修正いたします！！ (2020年10月31日 20時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶月(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。誤字があったので確認お願いします。BチームとなっていたのですがCチームだと思います。確認お願いします。 (2020年10月31日 19時) (レス) id: 19734b52bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢桜 | 作成日時：2020年10月27日 17時
