ゼラニウムの私とサクラの君【諸伏景光】 (ページ6)

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ヒーローじゃないページ6

景光side

珍しく仕事が少なくたまたま今日は家に帰れる日だった
今日はついていたのだろう一人でいた女の子を保護できた
仕事があったらあの子は一人でいたのだろうから

彼女は名前をAという
名字は教えてくれなかった
言いたくないならそれで良いと思うし、オレも彼女のことを調べようと思っていない

年齢は高校生ぐらい
学校に行ってるのかはしらない
これも、行きたくないのなら行かせないしそこまで無理する必要はない
義務教育でもないし行かせて無理にストレスをためてしまってもよくないから

そして彼女はオレが昔会った子に似ている
顔立ちはそっくりだ名前も同じな気がする
でも、年齢的に考えて違う
オレとあの子は同い年ぐらいだったから
普通に考えてあり得ないのだけれど
少し期待していたりする

だって昔会った子はオレのことをヒーロー君と呼んでいた
オレがヒーローみたいな名前だからと言って
ヒーローは弱い人を守る強い人だろ
だからオレはあのあだ名を気に入っていた
そして、彼女も似たようなことを言った
ヒーローみたいな名前ですねと

ビックリしたまるで昔会った子あの子が目の前にいるのかと思ってしまった
どう考えても違うのだろうけど
お別れのあいさつができなかったからだろうか
未練みたいなものが少しある

私『お風呂上がりました』
諸「わかった」

彼女はなんかオレのことを若干拒んでいる気がする
優しすぎるとかいって
まるで自分が悪いやつみたいな

でもさっき言った通りオレはそこまで優しくない
知ってる？人を殺してるんだよ
君が思うよりオレは悪いやつなんだ
そんな事彼女が知ったらどうするんだろう
逃げるのかな

そして、あの子はどう思うのだろう
ヒーローと呼んでくれたあの子

きっとそんなのヒーローじゃないとか言ってくれる？
言って欲しい
そんなのヒーローじゃないよって
間違ってるよって

知ってる
そんなのヒーローがやることじゃない

大人になると正義のために人が死んでも良いと思うけどほんとは死んで良い人間なんていないんだろ
それが、ヒーローってやつなんだから

公安とヒーローは対義語なのかもしれないな