シャークシャークなあの子２【黒名蘭世】

進路相談してみた ページ11

キャラ崩壊が来るぞ！気をつけろ！！


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西日が眩しい夕暮れ時、教室には私と黒名君の二人っきりで傍から見たらロマンチックな雰囲気だが、今の私の気分とはまるで相反している。
それは目の前いる男と一つの紙が原因だ。



『黒名君…これは一体何でしょうか』



「進路希望書だな…」



私たちもそろそろ将来について真剣に考える時期。大学にするのか専門学校にするのかはたまた就職か…何はともあれ自分の今後を左右する大切なものである。



『そうだよね…それを踏まえて、ここに書かれていることを読んでほしい』



「？分かった…」





『はいまず第一希望！』



「Aの旦那」





『次、第二希望！』



「Aのお婿さん」





『最後、第三希望！』



「Aの伴侶」






うん………



『いやおかしいでしょうが！！！』



思わず机をバンッと叩いてしまう。そう、おかしい、どう考えてもおかしいのだ。
そもそもなんだ旦那とお婿さんと伴侶て全部同じ意味だし進路相談と書いてあるじゃないか黒名君には人生のパートナー相談とでも見えたの？
高校でそんなことを聞くかこのバカたれぃ！



「どうした急に？お腹空いたのか？」



『空腹で癇癪を起こす三歳児と一緒にするんじゃない』



どうした急にはこっちのセリフだ何でそんなキョトンとした表情でいられるの？痛むこめかみを指でぐりぐりさせていると、黒名君があっと言うような顔になる。ようやく変なとこに気づけたのだろうか。




「別に誰彼構わずって訳じゃない。結婚願望が強いのはお前にだけだ」




『その気持ちは嬉しいし、一途なのはいいことだけどさぁ……』






「じゃあ両思いだな、入籍入籍」



『いつまでも優しいAちゃんだと思うな。
そろそろグーで殴るぞ』



将来の夢に、お嫁さん♡(お婿さん)が許されるのは幼稚園までだ。高校生を無礼(なめ)るなよ。

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