ヒロインお前が悪女やってどうする

一人 ページ39

貴方side


珍しく教室に残って昼休みを過ごす。
ヒロインは日常組とお昼を食べに行ったので珍しく1人だった。

｢日常が戻ってきたって感じだなぁ…｣

自分の席でお弁当を食べながらそう呟く。
教室は居心地悪いわけじゃない…ただ悪口と次何するかが聞こえるだけ。

｢ほんと…影薄いって便利だわ｣

やり返したいけど手出したら負けだと思ってる。
すると誰かが近くで転ぶ。

すると膝を擦りむいていたので椅子から降りて｢大丈夫ですか？｣と声をかける。
でも声は届いてないようで私は静かに絆創膏を貼って自分の席に戻った。

絆創膏を貼られた女子は目をぱちぱちさせながら私の席の方を見ている。
分からないくせに見られても困るのですが…。

｢そこに…月島さんいるの？
絆創膏、ぁ、ありがとう｣

三つ編みのお下げの子がそういった。
丸メガネで眼鏡を外したらきっと可愛いんだろうな…そう思える子だった。

｢あのね…花玲ちゃんには気をつけた方がいいよ｣

そう言ってその子はまた歩き出した。
何処に行くんだろなんて思っても気にとめずにお弁当を食べた。

なにか知ってたのかなぁ…。
これもアプデか何かできたキャラ？まぁ…どっちでもいいや。
これからは主要キャラから逃げることだけを考えよう。

｢あとヒロイン｣

あれはヒロインと言うなの悪女の可能性が高い…。
うん。アレは高い…最近転生系の小説で多いいけどもそんなことホントに起こるとは思ってなかった…。

｢ご馳走様でした｣

そう言ってお弁当を片して鞄に入れて本を取り出す。
静かに本を読んでるとクラスメイトが思いっきり背中を叩いてくる。

｢ぃ"…！！｣

｢いい音鳴ったー！！
ここに居るぞ！！！｣

ヒロインがいないから好き勝手出来るってことか！！
私は椅子から静かに降りて床に座り自分の鞄を持ち教室から逃げ出した。

机の引き出しとかロッカーにほぼ何も入れてなくて良かった！
その代わり鞄が重たいけどね…。

私は何処に行けばいいか分からず逃げる場所として保健室に向かった。
ぺ神の隠しルートは開放されたけどこのままだと攻略出来ないと思うからそこを逃げ場にさせて貰おう…！

あのままじゃ身体も精神も持たない…

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