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案の定と言うべきか、嘆かわしい事よと悲嘆に暮れるべきか。
ヤツ(心の中では呼んでる)は悠々たる顔持ちで本を読んでいた。 最近来る時間が私よりも早いため避難する時間も無い。

気付かれぬよう忍び足で通り過ぎようとした私の努力はスタッフさんの気持ちの良い挨拶で水の泡と化した。


「ボンジュール」

『異文化理解大事ですもんねさようなら』


早速エリックさんに目で助けを請うもニヤニヤしているだけで、何なら一平さんと話し始める。


「最初の頃はあんなに話しかけて来てくれたのに」

『最初の頃はあんなにジェントルマンだったのに』


…この人は自分の前科をすっかり忘れているんでしょうか。
思いっきり顔を歪めてやったのに、いつもの食えない笑顔で「久しぶり」と返される。3週間ぶりでも何でも、こんな天気のいい日の昼から絡まれるなんて自分が気の毒で仕方がない。

はあ、と重たい溜息を吐き出し背中を向け、派手な黄色いスーツと青いネクタイを手に更衣室へ向かった。



***


「"そうね、そうそうそう!!右手をもう少し上に──"」


CMついでの雑誌表紙はさぞギャラが大きいのだろう、小一時間ほどポーズをとり続けている。

しかも大谷さん付きで。


「イケメン様は不機嫌でも絵になって良いですね」

『へっ、その原因は大谷さんである事をお忘れなく』

「根に持ちすぎなんだよなぁ」


そう言えば、いつの間にかこの人はタメ口で話しかけてくるようになった。会ってから3ヶ月しか経ってない所を見るとコミュニケーション能力がかなり高いらしい。6歳差である事も理由の一つであるようだが。

カメラを見つめ口の動きを最小限にしながら器用に反論し合う。


『……性格知ってたら話しかけ無かったんですけどね』

「クレールさんいじりがいがあるから」


本日二回目の溜息をこれ見よがしに吐いてみた。

が、実を言うと大谷さんの行動が意味不明かつ理不尽である事を除いて、この人と話すのは苦ではない。(苦手ではある)

むしろ、今まで人とまともに会話した事がなかった故、対話ってこうやるんだー、と新鮮さすら感じている。


「デケえ溜息」

『……』




***




「"───はい、OK。良いのが撮れました"」



やっと撮影が終わったようで、高く昇っていた日は少し傾き始めていた。


「"11月のパリはもう寒いですね"」

着替えを済ませ、エリックさんと次の予定を確認していいると、一平さんがやって来た。

「"寒い所か今日か明日辺りで雪が降るらしいですよ"」

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テヤンデェ黙っとれおんどりゃあ(プロフ) - コバさん» ゥ゛ゥ゛ウ゛(振動)コメントありがとうございます😭アイラブユーです (1月13日 21時) (レス) id: b537d61366 (このIDを非表示/違反報告)
コバ - 一言で言うと好きです、、 (1月13日 19時) (レス) id: e88cbb1189 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テヤンデェ黙っとれおんどりゃあ | 作成日時:2024年1月7日 13時

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